大王製紙/CNF複合樹脂商用プラントを三島工場に設置
大王製紙は、セルロースナノファイバー(=CNF)複合樹脂の商用プラントを三島工場(愛媛県四国中央市)に設置する。生産品種は『ELLEX-R67』で、生産能力は2,000t/年、2025年度中の営業運転開始を目指す。設備投資額は約40億円。
大王製紙はこれまで、CNFのラインアップ拡充とコスト低減のため、パイロットプラントによる製造プロセス開発を進めてきた。今回の商用プラント設置に当たっては、CNFの前処理プロセスや複合樹脂の生産性を飛躍的に改善する製造プロセスを開発し、CNFの課題の1つである製造コストの低減を可能にしている。CNF前処理プロセスでは、大王製紙の抄紙技術を駆使した尿素によるカルバメート化セルロースの量産技術を確立し、複合樹脂の生産性改善では芝浦機械と共同で高効率なCNFと樹脂の複合化技術を開発したもの。
『ELLEX-R67』は樹脂材料設計の自由度が高く、ユーザーが混練・成形加工しやすい仕様となっており、用途としては、軽くて強い特長を活かした自動車部材のほか、家電製品、建材、日用品、容器・包装などを想定している。
(FUTURE 2024年5月27日号)