日本紙パルプ商事グループ/シンガポールとフランスで現地企業を買収
日本紙パルプ商事の連結子会社OVOL Singapore Pte Ltd(=OVOL SG)はこのほど、シンガポールでサイン&ディスプレイのハードウェア販売とテクニカルサービスを行うCAS Technology Pte Ltd社(=CAS Tech)の株式を取得、子会社化した。
日本紙パルプ商事は、海外卸売セグメントの方針の一つとして、既存の販売ネットワークに補完的なM&Aを取り入れながら、サイン&ディスプレイやパッケージなど高付加価値商材の販売を強化することを掲げており、今回の株式取得もその一環として実施された。
紙・包装資材の卸売を主事業とし、シンガポール紙流通のリーディングカンパニーでもあるOVOL SGは、昨年、熱転写リボン加工事業を営むTransam Industriesをグループ化した。事業の多角化を進めており、最近はサイン&ディスプレイのメディア販売にも注力する中での今回の株式取得。これにより、シンガポールのサイン&ディスプレイ市場で、メディア販売だけでなくハードウェア販売およびテクニカルサービス市場へ進出することとなるが、この市場で主導的な地位にあるCAS Techが持つサプライヤー基盤とテクニカルサービスのノウハウを獲得することで、既存のメディア販売と合わせたワンストップソリューションを実現し、顧客サービスの向上と営業基盤の拡大を目指す。
また、日本紙パルプ商事の連結子会社Gould Paper Corporation(本社:ニューヨーク)はこのほど、傘下のOVOL Holdings Franceを通じ、フランスで紙・板紙・不織布販売事業を展開するEFP-Chavassieu社(本社:パリ近郊)の株式を取得した。
EFP社はフランス市場を中心に情報用紙・産業用紙を取り扱っている。日本紙パルプ商事グループは今回の株式取得により、EFP社が持つ欧州サプライヤーとの強固な関係と、Gould Papiers France(本社:パリ)やJapan Pulp & Paper GmbH(本社:ドイツ・デュッセルドルフ)などのOVOL日本紙パルプ商事グループのネットワークを有機的に活用し、欧州市場における事業拡大、多角化を推進する。
(FUTURE 2024年1月29日号)