レンゴー/フィルム子会社と統合し三井化学東セロを子会社化
レンゴーは、㈱トクヤマとの合弁会社「サン・トックス」(持株比率:レンゴー66%、トクヤマ34%)と、三井化学の100%子会社「三井化学東セロ」を、三井化学東セロを存続会社とする吸収合併により経営統合することを決議した。
合併契約の締結は2024年2月、合併期日は24年4月1日を予定しており、吸収合併後は、レンゴーが三井化学から三井化学東セロの株式を51.0%取得して子会社化し(株式取得価額108億5,000万円)、商号を「アールエム東セロ㈱」に変更する。トクヤマと三井化学も資本参加を維持していく予定で、三井化学は34%以上を保有する方針。なお、以上は各国で競争法上の承認が得られることを条件に実施される。
レンゴーは、15年10月にポリプロピレンフィルムの専業メーカーであるサン・トックスに資本参加し、軟包装製品の原材料調達体制および製品開発力を強化する一方、トクヤマと協同してサン・トックスの販売量拡大、生産能力増強を推進してきた。また、三井化学東セロもポリプロピレンフィルムの製造販売ではサン・トックスと並ぶ国内有数のメーカー。同時に、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムでは国内No.1メーカーであり、ポリオレフィン系発泡シートの開発・製造販売も展開している。両社の23年3月期売上高は、三井化学東セロが約825億円、サン・トックスが約232億円。
プラスチックフィルム業界の環境が急速に変化する中、レンゴー、トクヤマ、および三井化学東セロの親会社である三井化学は、サン・トックスと三井化学東セロの持続的な成長のため、プラスチックフィルム・シートでの協業を模索し、議論してきた。その結果、今回のような経営統合の形が、両社の高収益化、環境対応型新製品の開発加速、海外での事業拡大を推進できると判断したもの。三井化学東セロが手がける事業のうち経営統合するのは、包装用ポリオレフィン系フィルムや発泡シートなどの「パッケージソリューション」事業のみとし、対象外となる「産業用フィルム・シート」と「プロテクトフィルム」事業は、三井化学の100%子会社として立ち上げる新会社に吸収分割する。
(FUTURE 2023年7月17日号)