日本製紙/2030ビジョンと中計2025の数値目標を見直し
日本製紙はこのほど、2021年5月に公表した「2030ビジョン」と「中期経営計画2025」について、一部の数値目標を次のように見直すと発表した。
■2030ビジョン(30年度目標)の見直し
○GHG排出量(13年度比):45%削減⇒54%削減
■中期経営計画2025(25年度目標)の見直し
○売上高:1兆1,000億円⇒1兆2,000億円以上
○ネットD/Eレシオ:1.5倍台⇒1.7倍台(ハイブリッドローン組替後)
GHG排出量については、進捗状況を踏まえてグラフィック用紙の生産体制再編と連動させた追加施策を検討した結果、さらなる削減の道筋が見えてきたことから、目標値を引き上げた。
25年度の売上高については、生活関連事業を中心とする成長分野で投資を実施し、高付加価値・差別化製品の開発、供給能力の拡大を進めてきた結果、22年度に中期経営計画の当初目標を達成し、今後も売上は拡大する見通しであることから、目標値を上方修正した。
一方、この2年間でさまざまなコストが大幅に上昇したことを受け、生産設備の停止を含むコストダウンや価格修正と並行し、株式や遊休資産の売却、設備投資の抑制に努めてきたが、財務体質を当初計画レベルまで立て直すには至っていない。このためネットD/Eレシオの目標値を1.7倍台に見直した。ただし、「中期経営計画2025」のテーマである事業構造転換は着実に進展しているため、ROE目標は当初計画のまま据え置いた。
変更後の「2030ビジョン」と「中期経営計画2025」は次の通り。
【2030ビジョン】▽売上高:1兆3,000億円▽生活関連事業(新規事業650億円を含む):50%以上▽海外売上高比率:30%以上▽生活関連事業の売上高営業利益率:7%以上▽ROE:8.0%以上▽GHG排出量(13年度比):54%削減
【中期経営計画2025】▽売上高:25年度1兆2,000億円以上▽営業利益:早期に400億円以上▽EBITDA:安定的に1,000億円▽ネットD/Eレシオ:25年度1.7倍台▽ROE:25年度5.0%以上
(FUTURE 2023年6月5日号)