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大王製紙、丸住製紙、愛媛製紙、DBJ/カーボンニュートラルへのロードマップを策定


 大王製紙、丸住製紙、愛媛製紙、が幹事会員となり、日本政策投資銀行(=DBJ)が事務局を務める四国中央市カーボンニュートラル協議会はこのほど、「四国中央市カーボンニュートラル実現に向けたロードマップ」を策定した。同協議会は、2021年6月に大王製紙、丸住製紙、DBJの3社によって設立され、同年7月に愛媛製紙が幹事会員として参画している。
 協議会には前述の4社のほかにも、愛媛県と四国中央市の2自治体、伊予銀行、愛媛銀行、愛媛県紙パルプ工業会、愛媛大学の内村教授と中原教授、さらに四国中央市の企業(エネルギー需要家)が参加しており、産学官金の連携体制を構築したうえで、紙産業の集積地である四国中央エリアのカーボンニュートラルについて議論を続けてきた。その結果を踏まえて、大王製紙、丸住製紙、愛媛製紙、DBJの4社は、具体的な方策やロードマップを策定し公表することとしたもの。
 製紙業界では、製造工程で必要な熱を供給するボイラーの燃料を、石炭などの化石燃料から水素・e-methane(e-メタン)・アンモニアなどに転換する必要性は認識されているものの、現時点では経済性や必要量の調達面で難しいことから、一足飛びに燃料転換を進めるのは難しいと考えられている。
 協議会では、産学官金が連携・情報共有し、現時点で導入可能な技術の実装を地域で推進すること、紙産業の集積地域という特性を活かしてリスクとコストを分散させてトランジションを進めること、他地域と連携しながら中長期的な燃料転換・カーボンニュートラルを実現していくことを重視している。ロードマップでは、①2030年に向けて産学官金が連携し既存技術の実装を推進していくとともに、②技術や政策動向を把握しながら実証実験や新技術の実装(燃料転換)を行うことを想定。また、開発余地の少ない四国中央市では各ステークホルダーが連携し、ヒト・モノ・カネ・リスクをシェアして面的な取組みを進めていく方向性を定めた。

 

(FUTURE 2023年4月17日号)

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