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JPグループ/アイルランドに進出


 日本紙パルプ商事の連結子会社で、英国・バーミンガムに本社を置くPremier Paper Group Limited(=PPG)はこのほど、アイルランド島でサイン&ディスプレイおよび紙卸売事業を展開するGraphic And Paper Merchants Holdings Limited(=GPMI、アイルランド・ダブリン)の株式を取得した。
 JPグループは海外卸売セグメントの方針の一つとして、既存の販売ネットワークに補完的なM&Aを取り入れながら、パッケージングや化成品、機能性商品など高付加価値商材の販売強化を進めており、今回の株式取得もその一環。
 積極的な外国企業誘致により、今ではEUの中で最も高い経済成長率を誇るアイルランドは、紙・板紙国内需要の全量を輸入しており、紙商がサプライヤーとして重要な役割を果たしている。GPMIはこの紙卸売のほかに、サイン&ディスプレイ事業を展開しており、特に同事業ではフィルムなどのメディアに加えて印刷機などのハードウェアを販売し、設置・保守までのサービスを一貫して手掛けることで同業他社との差別化を図っている。JPグループは、今回の株式取得によってアイルランドのサイン&ディスプレイ、紙・板紙市場に進出し、同市場で主導的地位にあるGPMIの顧客を獲得することで、営業基盤の拡大を目指す。一方、GPMIはPPGをはじめとしたJPグループの調達基盤を活用し、供給力の強化を図る。
 また、PPGは昨年、英国でフィルムなどの輸入・在庫販売を行うZulu Packaging Limitedと、包装関連資材の輸入卸売を行うWine Box Company Limitedをグループ化し、高付加価値商材の販売強化を図っており、ここに今回、同じエリアのGPMIが加わることとなる。今後は各社が強みを持つ商材を互いの市場や顧客へ拡販し、シナジー効果の創出も目指す。
 なお今回の株式取得により、JPグループの事業展開国数は日本を含め計22ヵ国に広がった。

(FUTURE 2023年2月20日号)

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