日本製紙、トスコ、島精機製作所/抗ウイルス・抗菌・消臭紙糸を共同で開発
日本製紙、トスコ、島精機製作所の3社はこのほど、日本製紙の金属イオン変性セルロース『Cu-TOP』(シーユートップ)を配合して抗ウイルス・抗菌・消臭性能を持たせた紙糸『Cu-TOPアオ』を共同開発した。写真は『Cu-TOPアオ』を使用した製品サンプル。
紙糸は、和紙を細く裁断し撚り(より)をかけて糸にしたもので、吸水速乾性・吸放湿性・ドライタッチといった特徴があり、日本では古くから衣服などに使われている。この紙糸に、銅イオンを担持させた変性セルロース『Cu-TOP』を配合し、銅イオンの効果によって抗ウイルス・抗菌・消臭機能を付与したのが『Cu-TOPアオ』。高機能製品ながら、従来の紙糸と同様に使用できるので、医療・介護やスポーツ分野の用具や寝具、インテリアのほか、インナーウェアなどさまざまな商品への展開が可能。
開発に当たっては、日本製紙は紙糸に適した金属イオン変性セルロース『Cu-TOP』の供給を担当、トスコは『Cu-TOPアオ』の製造、販売を担当する。同社は麻原草の品種改良・栽培、紡績からテキスタイルの生産まで一貫して行う世界唯一の麻メーカー。また、ニット編み機のトップメーカーである島精機製作所は、『Cu-TOPアオ』の横編機での紙糸活用や、生地・製品などの開発・提案を担う。
(FUTURE 2023年2月27日号)