2023
Archive for 2023
『紙・不織布・フィルム 加工ガイド2024-市場と技術』
2023年 <8月号> 特別企画/紙・不織布・フィルム 加工ガイド2024─市場と技術
紙・不織布・フィルム 加工ガイド2024
─市場と技術─
●市場・技術動向
生成AIのタスク遂行メカニズムから考えた〈Bing〉のポテンシャル ─ 製紙におけるゼータ電位と企業価値を題材として
東京大学名誉教授 尾鍋史彦
紙に書かれた文字の電子文字に対する優位性について
豊福邦隆
不織布産業の現状とINDEX23に見る衛生・医療用途の開発動向
日本不織布協会顧問,技術委員会および環境委員会委員長,(一社)日本繊維機械学会フェロー,不織布研究会委員長,信州大学繊維学部Fiiリサーチ・コーディネーター 矢井田修
報道発表などに見る最近の製品開発(2022年7月〜23年6月)
加工関連データ
紙・板紙,包装資材・容器,段ボール,粘着テープ,壁紙,紙おむつ・印刷機械ほか,衛材・コスメ製品
加工製品/資材 品種・銘柄データ
印刷・情報,印刷・その他,包装・パッケージ,粘着・剝離,産業・工業用資材,土木・建築,家庭・衛生,その他
●開発事例
王子エフテックス/循環資源混抄紙 MEGURISHTM(メグリッシュ)
大王製紙/混抄紙受注システム“Rems”
特種東海製紙/ファンシーペーパーの新展開“TT-CUSHIONメッシュ”の開発
王子キノクロス/熱成形用バイオマス不織布“キナリト”の開発
大日本印刷/DNP折りたたみ式紙製パーソナルブース
東洋製罐グループ/「捨てる」に寄り添う組立式ダンボールテント“DAN DAN DOME”(ダンダンドーム)
大阪シーリング印刷/紙製包装資材“ペーパック”の開発
北越コーポレーション/カーボンナノチューブを用いた電磁波ノイズ抑制シートの開発
王子ホールディングス/セルロースを補強繊維とした減プラ素材“セルロース樹脂マット・ペレット”
ユポ・コーポレーション/デジタルプリンタ対応“ユポ®電飾用紙BLXG150”
レンゴー/紙製緩衝材“レンクッション®”を用いた自動包装システム
サンノプコ/木粉を利用したウッドレザー“MOC-TEX®(モックテックス®)”の開発
●最新技術情報
小林製作所/新たな特殊加工に役立つワイヤーバー,各種コータ,不織布用クロスカッタ,テスト用ラボ
大昌鉃工所/特殊紙製造装置から機能を高める加工機器へ展開
明産/製紙業界で培ったスリッター技術 新素材でも高評価
春日電機/エレクトレット加工システム コロナ・プラズマ処理装置,生産現場での事故・トラブルを未然に防ぐ静電気除去装置
金陽社/製紙カレンダー用樹脂ロール“ZE-Kシリーズ”
東京計器/素材検査装置 M-CapV2,印刷品質検査装置 P-CapV6
三菱重工機械システム/三菱段ボール製函機EVOL
チノー/赤外線水分・厚さ計 IMシリーズ
◇
●寄稿
抄き合わせ紙の強度的性質 〈1〉強度および軽度叩解パルプからの紙
山内龍男
●連載
老舗を再生させた三代目が,どうしても伝えたい「経営革新」講義(128)建築家が開発した段ボール家具「カミカグ」との勉強会
中山裕一朗
●ニュース・統計
機械・資材業界短信
月間ニュース
海外情報
アジア通信
イベントカレンダー
紙パルプ製品・設備・原材料 月別需給統計〈令和5年5月度〉
<8月1号>
●Review
世界古紙需給2021年/コロナ禍による前年の落込みから急回復 利用率60%目前
●Trend
中国造紙協会の2022年報告/コロナ収束も消費は4年ぶりマイナス “ゼロコロナ”影響も
●Interview
小川満・日家工会長/コストアップ要因を抱える中 各社の共通課題改善などに注力
小川紀子(立川紙業)/小学館「ぺぱぷんたす」公認アイテム 紙製の鏡『Kamirror』発売
●Topics
平和紙業/『箔とファンシーペーパーのコラボ アーカイブ展@東京』“箔押し加工”の実験的試みにデザイナーの熱い視線
レイメイ藤井/『藤紙会・南九州黎明会合同ゴルフ会』『新社屋落成記念懇親会・表彰式』
全段連,全紙器,印刷工業会/印刷インキを標準色18色に集約へ
「新電力会社」の事業撤退動向/調達価格の高騰で3割が倒産・廃業
●総会から
日本巻取紙工業連合会/4年ぶりに通常形式の総会「加工業界存続のためにも値上げを」
名古屋リサイクル共同組合/第26回通常総会を開催
●統計
板紙/23年4月度生産実績 前年比96.5%
段ボール/4月度の段ボール生産 前年比94.2%と減少
出版/『週刊朝日』の最終号累計16万部超に
●インフォメーション
〈7月24日号〉
●R&D情報
全体では前年比二桁増のプラス…/減益決算でもマインドは旺盛な紙加工関連企業の設備投資計画
●ワールドレビュー
輸入紙の価格攻勢で操短を余儀なくされるインドの新聞用紙メーカー
●REPORT
紙パルプ産業のエネルギー需給〈1〉/自家発電量,比率とも産業界でトップ
●ワイドフレックス
JETRO/アジア経済研究所のWEBマガジン/「アジア トイレ紀行」の連載を開始
●統計と市況
紙
●アジア市況
輸入古紙,輸入パルプ
●国際市況
市販パルプ
●ニュースファイル
企業の動き 団体の動き トピックス 催事 人事異動
〈7月17日号〉
●R&D情報
維持・更新投資が主体だが…/新たな領域で収益拡大を図る案件も ある製紙関連企業の設備投資
●ワールドレビュー
供給減を背景に中質コートから SC紙への転換が進む北米市場
●話題を追って
海外紙パ企業の動向/ポスト・コロナを見据え,再編が進行
日本紙類輸出組合・日本紙類輸入組合/海外の情報収集と迅速な提供に努める
●REPORT
2023年度の設備投資に関する企業の意識調査/6割が「計画あり」で,コロナ前に近づく
●統計と市況
関連指標
●中国市況
原料,紙・板紙製品
●米国市況
パッケージング用紙
●ニュースファイル
企業の動き 決算 トピックス 移転・変更 人事異動
<7月2号>特集■くらしと紙〈夏〉
特集■くらしと紙〈夏〉
●Review
静岡・愛媛ほかの《ヒット・ロングセラー》製品/【静岡県】イデシギョー、春日製紙工業、コアレックス信栄、紺屋製紙、シーズイシハラ、新橋製紙、大一紙工、大興製紙、特種東海エコロジー、林製紙、藤枝製紙、富士里和製紙、マスコー製紙、丸井製紙、丸富製紙、マツオカ製紙 【愛媛県ほか】泉製紙、イトマン、大髙製紙、カミ商事、金柳製紙、ゴークラ、大富士製紙、トーヨ、西日本衛材、服部製紙、丸住製紙
●Topics
コアレックスグループ/コアレックス信栄・黒﨑社長がNHK「チコちゃん~」に2度目の出演
●催事
機械すき和紙連合会・日本家庭紙工業会/合同プレス懇談会 再値上げよりも価格を維持 物流2024年問題には業界で注力
●総会から
全国家庭紙同業会連合会・東京紙商家庭紙同業会/家同連・東家同理事長には紺野正弘氏が続投
◇
●Topics
日本洋紙板紙卸商業組合 第38回通常総会・全国大会、懇親会/23年度スローガンは22年度から継承 イノベーションと紙の存在価値の可能性を追求
永井産業/海上救難用〈航法目標弾〉〈ボールマーカ〉〈海面着色剤〉の製造販売を開始
●Lecture
米中安全保障関連法令の最新動向/日本企業はどう対応していくべきか
SGEC/PEFCセミナー/森林認証の拡充に向けた課題とは何か
●総会から
西日本段ボール工業組合/日本は必ず良くなる、焦らず我慢を
大阪府紙料協同組合/ペーパーレスの時代にどうあるべきか 各団体のトップが思いを語る
静岡県紙業協会/事業環境の変革期をビジネスチャンスに
全国製紙原料商工組合連合会/3年ぶりの懇親会で業界の安定持続を誓う
東京都紙商組合 行動制限の段階的緩和により、通常の親睦、福利厚生活動に期待/友和会 来年の創立100周年に向けて 記念行事の計画を立案
大阪洋紙同業会/代理店と卸商が集い、協力関係の強化を図る
日紙商西部ブロック会/世代に関係なく一緒に業界を繋いでいきたい
京都府紙商組合/「紙」「和紙」の魅力を遺憾なく発揮できる時代の再来を
●統計
東京市況/板紙関連を除き 全体で前年割れ顕著
家庭紙/ソフトパック伸長 数量で前年比166%
古紙/4月度の回収率 6ヵ月ぶりの80%台
●インフォメーション
〈7月10日号〉
●R&D情報
価格改定は進んだが/原燃料費の高騰が収益を圧迫した 印刷関連業界の2022年度業績
●ワールドレビュー
工場の臭気で地域住民から告訴された グラフィック・パッケージング
●話題を追って
世界主要国の紙パ産業/中国を除き減産基調が強まる紙・板紙
●講演から
『人新世の「資本論」』の著者、斎藤幸平氏が日紙商大会で講演/これからの時代は“脱成長”社会へ
●統計と市況
原材料
●国際市況
市販パルプ
●ニュースファイル
企業の動き 団体の動き トピックス 人事異動
紙・板紙需給速報 5月/白板と衛生用紙が国内出荷プラスに
日本製紙連合会が集計した2023年5月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比△0.7%の165.3万tで、9ヵ月連続のマイナスとなった。以下、%表記は前年同月比。
国内出荷のうち、紙は△0.9%の80.3万t、板紙は△0.6%の85.0万t。用途別では、グラフィック用紙が△3.3%の55.2万tで16ヵ月連続のマイナス、パッケージング用紙は△1.3%の94.3万tで8ヵ月連続のマイナス。主要品種は衛生用紙、白板紙を除きマイナスだった。
紙・板紙のメーカー輸出は△27.5%の12.2万tで8ヵ月連続のマイナス。うち、グラフィック用紙は塗工紙を中心に東アジア向けが減少して△26.2%の3.7万tとなり、11ヵ月連続のマイナス。パッケージング用紙は段ボール原紙を中心に東アジア、東南アジア向けが減少して△28.1%の8.5万tとなり、8ヵ月連続のマイナス。
紙・板紙の在庫は前月比+7.4万tの199.7万tで2ヵ月連続の増加。うち、グラフィック用紙は塗工紙が増加して同+5.0万tの83.2万tとなり、3ヵ月連続の増加。パッケージング用紙は段ボール原紙が増加して同+3.3万tの108.6万tとなり、2ヵ月連続の増加。衛生用紙は△0.9万tの7.8万tで5ヵ月ぶりの減少となった。
〔主要品種の動向〕
*新聞用紙…国内出荷は△6.6%の14.0万tで24ヵ月連続のマイナス。
*印刷・情報用紙…国内出荷は△2.1%の41.2万tで9ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は△26.2%の3.7万tで11ヵ月連続マイナス。
*包装用紙…国内出荷は△5.5%の5.1万tで6ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は△24.2%の1.0万tで6ヵ月連続のマイナス。
*段ボール原紙…国内出荷は△0.2%の69.0万tで8ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は△31.7%の6.2万tで8ヵ月連続のマイナス。
*白板紙…国内出荷は+1.4%の10.7万tで5ヵ月ぶりのプラス。
*衛生用紙…国内出荷は+13.4%の15.8万tで6ヵ月ぶりのプラス。
(FUTURE 2023年7月10日号)
大王製紙/東北大、東大などとともにCNF半導体材料開発に着手
大王製紙は東北大学、東京大学、産業技術総合研究所と共同で、セルロースナノファイバー(=CNF)を使った半導体材料開発を開始する。この開発テーマは新エネルギー・産業技術総合開発機構(=NEDO)の「NEDO先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム」に採択された。
大王製紙のCNFは、「水分散液」「透明水分散液」「乾燥体」「成形体」「複合樹脂」の5形態をラインアップし、多岐にわたる分野で実用化に取り組んできた。三島工場(愛媛県)に水分散液(150t/年)、乾燥体(63t/年)、複合樹脂(100t/年)の3つのパイロットプラントを設置し、コストダウンを実現できる製造プロセス開発も進めている。
そして今回の産学官連携による取組みは、これまでの製造・用途開発とは異なる半導体材料の開発。これによりCNFの新たな可能性を探る。植物由来のCNFが半導体特性を示すことは、前 東北大学未来科学技術共同研究センターの福原幹夫リサーチフェローらが見出した。共同研究はこの成果を用いて実用化を目指したものであり、福原氏は「天然素材から新しいバイオ半導体の分野が花咲くことを期待する」と語っている。大王製紙とともに開発に取り組むのは次の4グループ。
○東北大学 未来科学技術共同研究センター 橋田特任教授グループ
○東京大学大学院 農学生命科学研究科 磯貝特別教授グループ
○産総研 機能化学研究部門 セルロース材料グループ
○産総研 電子光基礎技術研究部門 化合物半導体デバイスグループ
(FUTURE 2023年7月10日号)
日本製紙/チップ船の配船計画立案に製紙業界初のAI導入
日本製紙は、㈱ALGO ARTISが開発した、AI(アルゴリズム)による木材チップ船の配船計画最適化システムを製紙業界で初めて導入し、6月14日から運用を開始した。これにより輸送効率を向上させ、海上輸送の物流コスト低減とGHG排出量削減につなげる。
同システムは、配船計画を立てる際に考慮すべき制約、リスク、コストを定式化し、担当者の経験やノウハウをAIに組み込むことで、最適な配船計画を短時間で自動的に作成する。システムの活用により、基本となる輸送計画の最適化、および日々の状況変化に応じた速やかな計画修正が可能となり、運航効率が大幅に改善する。日本製紙は、海外材チップ海上輸送に係るGHG排出量の2.8%削減と物流コストの低減を見込んでいる。
(FUTURE 2023年7月3日号)
トーモク/ベトナム現地企業を買収
トーモクはこのほど、ベトナムの紙器メーカーKhang Thanh Manufacturing Joint Stock Company(=カンタン㈱)の全株式を取得し、子会社化することを発表した。
段ボール・紙器事業の海外展開を成長戦略と位置付けているトーモクグループは、米国カリフォルニア州にサウスランド・ボックス社を、ベトナムのホーチミンにトーモク・ベトナム社を設立し、設備増強と事業拡大に取り組んでいる。今回の買収もその一環で、東南アジアでも特に高い成長が見込まれるベトナムで広範に紙器事業を展開するカンタンをグループ化することにより、ベトナム事業を段ボール事業から紙器事業に拡大する。同時に、トーモクの紙器事業にカンタンの生産ラインを加えることで、紙器製品の提案・供給力の強化を図る。なお、株式取得に伴いカンタン㈱は有限会社(カンタン社)に会社形態の変更する予定。
【カンタンの概要】▽所在地:ビエンホア市 アマタ工業団地▽事業:紙器製造販売▽売上高:2,636億2,700万VND(15億8,100万円)
(FUTURE 2023年6月26日号)
レンゴー/2027年に石炭使用ゼロへ
レンゴーは、2027年までにグループの国内製造拠点における石炭使用量をゼロにすることを発表した。レンゴーグループは現在、製紙部門の金津工場と丸三製紙で合計約12万5,000t/年の石炭を使用しているが、26年に金津工場、27年に丸三製紙の燃料をLNGに転換し、石炭全廃を実現する。
同社は30年度を達成年度とする「エコチャレンジ2030」で、化石エネルギー起源CO2排出量を13年度比46%削減する目標を掲げており、また「レンゴーグループ環境アクション2050」では、50年までに温室効果ガスの排出量実質ゼロに挑戦することを表明している。
(FUTURE 2023年6月26日号)
大王製紙/ダブル連結トラックの中継輸送実証実験を実施
大王製紙はこのほど、物流の2024年問題対応策の一つとして導入を検討している「ダブル連結トラック」の中継輸送実証実験(埼玉~愛媛間、約850km)を、4日間の日程で実施した。
ダブル連結トラックは2018年から一部区間で走行が可能となり、22年11月には走行区間が拡充された。これに伴い、大王グループの主要拠点である愛媛県や静岡県の運行が可能となったため、今回の実験を実施したもの。実験は、ダブル連結トラックを保有する青伸産業運輸の協力を得て行われた。
実験は、「エリエールペーパー行田工場(埼玉県)エリエールロジスティクスセンター(静岡県)大王製紙川之江工場(愛媛県)」の区間を、荷物の積込み・荷降ろしを含めて往復で走行。通常一般のトラックで行っている輸送ルートをダブル連結トラックで運行し、道路上、通行に問題がないかを確認するとともに、活用に伴う効果を検証した。なお、瀬戸大橋および明石海峡大橋の走行、四国島内でのダブル連結トラック輸送は全国初の試み。今後は、運行に問題がないことが確認出来次第、定期運行を検討していく。
(FUTURE 2023年6月26日号)
北越グループ/オランダの高機能紙容器Halopackを日本で独占販売
北越コーポレーションの子会社で食品包装・菓子箱、飲料用紙容器を製造販売する北越パッケージは4月、オランダのPackable社と、紙容器『Halopack』(ハロパック)の製造販売に関するライセンス契約を締結し、同容器の日本市場での独占的製造販売権を取得した。『Halopack』は、Packable社が世界特許を保有し、海外11ヵ国に約3.5億個を販売している密閉シール可能な高機能紙容器。写真は使用例。
近年、世界的な潮流となっているCO2削減や脱プラニーズを受け、大手加工食品メーカー、流通、コンビニ各社で、プラスチック容器から紙容器への変更を志向する動きが進んでいる。その際の最大のネックは、紙素材単体ではガスバリア性、耐油性、耐水性など、内容物の保護と鮮度維持の面で限界があることだった。また、従来の紙器形状ではフランジ面に生じる段差が完全に解消できず、完璧な密閉シール性を保証できないことも課題となっていた。しかし『Halopack』は、紙器でありながら、内面に高機能多層バリアフィルムを溶着することで高機能多層プラスチック容器と同等のバリア性を保持する。トップフランジ面に段差がないためガス置換、スキンパックなど完璧な密閉シールができ、加工食品の賞味期限延長が可能になる。また、内面フィルム素材の使い分けによって常温・冷蔵・冷凍のいずれの食品にも対応可能で、電子レンジやオーブンに対応する仕様も選定できる。さらに、使用済容器から内面フィルムを剥がして板紙と分別リサイクルできる提案型仕様も可能。
北越では、超高温による焼成や超低温急速冷凍など多岐にわたる用途にも開発対応を進める体制ができており、“画期的な将来型紙容器”として早期の商業化立上げを進めていく考え。
(FUTURE 2023年6月19日号)
国際紙パルプ商事/アミカテラへ追加出資
国際紙パルプ商事はこのほど、プラスチック代替素材『modo-cell』(モドセル)を製造販売するアミカテラへの追加出資を決めた。
アミカテラが開発した『modo-cell』は植物性の生分解性素材で、プラスチック代替材料として食器やカトラリーなどに採用されている。これまでは台湾で製造されていたが、今年1月に国内初の製造拠点となる水俣工場を完成させ、2月から本格稼働している。国際紙パルプ商事は昨年からアミカテラに出資し業務提携しており、今回の追加出資により同社との業務提携を一層強化していく。
(FUTURE 2023年6月19日号)
紙・板紙需給速報4月/紙・板紙国内出荷主要全品種がマイナス
日本製紙連合会が集計した2023年4月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比△6.6%の175.4万tで、8ヵ月連続のマイナスとなった。以下、%表記は前年同月比。
国内出荷のうち、紙は△8.5%の81.2万t、板紙は△5.0%の94.2万t。用途別では、グラフィック用紙が△6.3%の56.8万tで15ヵ月連続のマイナス、パッケージング用紙は△5.7%の104.0万tで7ヵ月連続のマイナス。主要品種はすべてマイナスだった。
紙・板紙のメーカー輸出は△26.9%の11.2万tで7ヵ月連続のマイナス。うち、グラフィック用紙は塗工紙を中心に印刷用紙が東アジア向けで減少して△28.9%の3.5万tとなり、10ヵ月連続のマイナス。パッケージング用紙は段ボール原紙を中心に東アジア、東南アジア向けが減少して△26.0%の7.7万tとなり、7ヵ月連続のマイナス。
紙・板紙の在庫は前月比+5.7万tの194.1万tで3ヵ月ぶりの増加。うち、グラフィック用紙は新聞用紙、印刷・情報用紙ともに増加して同+2.3万tの78.1万tとなり、2ヵ月連続の増加。パッケージング用紙は包装用紙、段ボール原紙が増加して同+3.0万tの106.9万tとなり、3ヵ月ぶりの増加。衛生用紙は+0.5万tの9.1万tで4ヵ月連続の増加となった。
〔主要品種の動向〕
*新聞用紙…国内出荷は△11.1%の13.6万tで23ヵ月連続のマイナス。
*印刷・情報用紙…国内出荷は△4.7%の43.1万tで8ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は△28.9%の3.5万tで10ヵ月連続マイナス。
*包装用紙…国内出荷は△7.9%の5.4万tで5ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は△14.4%の1.1万tで5ヵ月連続のマイナス。
*段ボール原紙…国内出荷は△5.3%の77.4万tで7ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は△30.0%の5.3万tで7ヵ月連続のマイナス。
*白板紙…国内出荷は△2.0%の11.0万tで4ヵ月連続のマイナス。
*衛生用紙…国内出荷は△13.8%の14.6万tで5ヵ月連続マイナス。
(FUTURE 2023年6月12日号)
大王製紙/ベトナムに子会社を設立
大王製紙は、ASEAN地域での販売強化のため、ベトナムにホーム&パーソナルケア事業の販売子会社「ELLEAIR INTERNATIONAL VIETNAM CO., LTD.」を新設する。8月を目途に設立し、本社はホーチミン市に置く。事業開始は10月の予定。これにより、現地の生活者ニーズに合ったマーケティング活動を強化し、流通チャネル開拓のスピードアップを図る。
【ELLEAIR INTERNATIONAL VIETNAM】▽所在地:ベトナム・ホーチミン市▽代表者:道野孝幸▽事業内容:紙おむつおよび衛生用紙などのホーム&パーソナルケア商品の輸入・販売▽資本金:350万㌦▽株主:大王製紙100%▽従業員:約40名
(FUTURE 2023年6月12日号)
リンテック/カナダの粘着製品会社を約70億円で買収
リンテック子会社のMACtac Americas, LLC(米国・オハイオ州)の子会社、MACtac Canada LTD.(カナダ・オンタリオ州)は、886381 Ontario Inc.(商号:LABEL SUPPLY、カナダ・オンタリオ州)と1598130 Ontario Limited(カナダ・オンタリオ州)の事業と関連資産を、5月31日付で買収した。買収金額は約6,850万カナダ㌦(69億1,900万円)+アドバイザリー費用約46万3,000㌦(6,300万円)。
リンテックグループは、顧客により近い所で生産し供給していく「メード・イン・マーケット」の考え方を基本に、事業のグローバル化を推進している。北米では2016年にラベル用粘着紙・粘着フィルムやグラフィックフィルムの製造・販売会社であるMACtac Americasを買収、21年にはMACtac AmericasがDuramark Products, Inc.を買収、22年にはSpinnaker Coating, LLCの事業を買収するなど、グループの基盤事業である印刷・情報材事業の強化・拡大を図ってきた。
今回の886381 Ontarioは、ラベル用粘着紙・粘着フィルム事業を主にカナダ国内で展開しており、特にロールラベル製品の裁断加工とデリバリー対応に強みを持つ。今後は、MACtac Americasではカバーしきれなかったカナダ市場で、886381 Ontarioの販売網を通じて製品展開し、北米全体でのシェア拡大を図る。
【886381 Ontario】▽事業:ラベル用粘着紙・粘着フィルムなどの加工・販売▽22年2月期売上高:6,252.9万カナダ㌦(63億1,500万円)
【1598130 Ontario】▽事業:886381 Ontarioに対する土地・建物の賃貸
(FUTURE 2023年6月12日号)
丸紅/アンゴラで植林事業の検証し現地企業と覚書締結
丸紅はこのほど、アフリカ南部のアンゴラ共和国で大規模農業を展開する現地企業ALCAAL ANGOLA-Investimentos e Participas Lda(=IEP社)と、産業植林・環境植林プロジェクトの事業性を検証することに合意し、覚書を締結した。写真はプロジェクト実施予定地。
アフリカは、世界で最も森林の減少面積が多く、森林再生が喫緊の課題となっている。今回のプロジェクトの対象となるアンゴラ南部の約3万1,000haの土地は、過去に植林が行われていたものの40年以上放置され、違法伐採などにより劣化してしまったエリア。丸紅は、このエリアで開発の事業権を持つIEP社とともに新規植林・再植林を行うことで、アンゴラの森林再生を目指す。また、森林産業の活性化やカーボンクレジットプログラムの確立も目指す。
丸紅は、インドネシアと豪州で総事業面積約29万ha、そのうち約13万ha(東京都の約6割の面積)の植林を管理し、またフィリピンでも今回のプロジェクトと同様の森林再生プロジェクトを進めている。これらの事業で培った知見やノウハウをアンゴラのプロジェクトに活かし、森林資源の環境価値と経済価値を高めることを目指す。
IEP社(https://alcaalangola.com/)は、アンゴラの3州計約3万haの農場でメイズ(とうもろこし)、大豆、雑豆、小麦、米など穀物を中心に大規模機械式農業を展開しており、丸紅が設計・調達・建設(EPC)を手掛けたアンゴラのTextang繊維工場のオペレーターでもある。
(FUTURE 2023年6月12日号)
日本製紙/2030ビジョンと中計2025の数値目標を見直し
日本製紙はこのほど、2021年5月に公表した「2030ビジョン」と「中期経営計画2025」について、一部の数値目標を次のように見直すと発表した。
■2030ビジョン(30年度目標)の見直し
○GHG排出量(13年度比):45%削減⇒54%削減
■中期経営計画2025(25年度目標)の見直し
○売上高:1兆1,000億円⇒1兆2,000億円以上
○ネットD/Eレシオ:1.5倍台⇒1.7倍台(ハイブリッドローン組替後)
GHG排出量については、進捗状況を踏まえてグラフィック用紙の生産体制再編と連動させた追加施策を検討した結果、さらなる削減の道筋が見えてきたことから、目標値を引き上げた。
25年度の売上高については、生活関連事業を中心とする成長分野で投資を実施し、高付加価値・差別化製品の開発、供給能力の拡大を進めてきた結果、22年度に中期経営計画の当初目標を達成し、今後も売上は拡大する見通しであることから、目標値を上方修正した。
一方、この2年間でさまざまなコストが大幅に上昇したことを受け、生産設備の停止を含むコストダウンや価格修正と並行し、株式や遊休資産の売却、設備投資の抑制に努めてきたが、財務体質を当初計画レベルまで立て直すには至っていない。このためネットD/Eレシオの目標値を1.7倍台に見直した。ただし、「中期経営計画2025」のテーマである事業構造転換は着実に進展しているため、ROE目標は当初計画のまま据え置いた。
変更後の「2030ビジョン」と「中期経営計画2025」は次の通り。
【2030ビジョン】▽売上高:1兆3,000億円▽生活関連事業(新規事業650億円を含む):50%以上▽海外売上高比率:30%以上▽生活関連事業の売上高営業利益率:7%以上▽ROE:8.0%以上▽GHG排出量(13年度比):54%削減
【中期経営計画2025】▽売上高:25年度1兆2,000億円以上▽営業利益:早期に400億円以上▽EBITDA:安定的に1,000億円▽ネットD/Eレシオ:25年度1.7倍台▽ROE:25年度5.0%以上
(FUTURE 2023年6月5日号)
ハビックス/長期経営ビジョン2030策定
ハビックスグループはこのほど、2023年度を初年度とする「長期経営ビジョン2030」(23年4月~31年3月)を策定した。
長期経営ビジョン2030では、「事業の変革」「組織・人材の活性化」「サステナビリティ経営の実現」の3つを基本方針に掲げ、2030年度の売上高150億円以上、営業利益率7%以上を目指す。また、基本方針に基づいた5つの戦略①新事業・新分野創出、②競争力強化、③経営基盤強化、④人材マネジメント、⑤サステナビリティ対応と、12項目の具体的アプローチにより、長期経営ビジョンの実現を図る。詳細は次記webサイトで。
https://www.havix.co.jp/ir/policy.html
(FUTURE 2023年6月5日号)
中越パルプ工業、丸紅/CNFを使用した化粧品原料を発売
中越パルプ工業と丸紅は、中越パルプが製造するACCセルロースナノファイバー(=CNF)『nanoforest』を使用した化粧品用途向け原料の販売を開始した。
『nanoforest』は、水中対向衝突法(ACC法)により、薬品を加えることなく水の力を用いて木質繊維(パルプ)を微細化したCNF。水と結びつきやすい親水面と油と結びつきやすい疎水面を有し、「両親媒性」の特徴を持つ。
今回、販売を開始したのは水分散体の『nanoforest-S(MicC)』とオイル分散体の『nanoforest-M(MicC)』。化粧品市場では、環境に配慮した原料、特にサステナブルな植物由来原料に対する需要が増えている。『nanoforest』は、原料に未利用竹材を含む国産竹100%の天然繊維を使用し、用途に合わせた形態で提供できることに加え、これを配合することで増粘性や触感改良機能、顔料分散安定性、洗浄性、保湿性、乳化安定性など、幅広い機能を付与できる。また、原料の持つ効果を損なわないコールドプロセス製法にも対応している。
(FUTURE 2023年6月5日号)
特種東海製紙/岐阜工場を閉鎖へ
特種東海製紙は、岐阜工場の生産を2024年3月末で停止して閉鎖し、特殊紙の生産を三島工場に集約することを決めた。
現在の岐阜工場は、同社が1964年に真砂製紙㈱を吸収合併してスタートした工場で、特種東海製紙の主力製品であるファンシーペーパーのマザー工場として、オリジナリティのある付加価値の高い製品を開発、生産してきた。これまで約100ブランドの製品を誕生させており、 日本の紙文化の発展に大きく貢献してきた。
一方で、特殊紙を取り巻く事業環境は厳しく、特に印刷情報メディアとしての需要減少は継続している。同社では、中国市場を主なターゲットとした和紙楽活(KAMI Lab.)ブランドの立上げ、工業用途で使用される機能紙の拡販などの対策を進めてきたが、特殊紙生産体制の最適化と安定供給のため、三島工場への集約と岐阜工場の閉鎖を決めたもの。岐阜工場で生産している製品は、設備面、技術面、収益面などから製品別に検証し、基本的には三島工場へ移管する予定。岐阜工場敷地内にある㈱モルディアのパルプモウルド生産設備については、特種東海製紙の三島工場への移設を検討している。
また岐阜工場の従業員については、雇用維持を基本方針として他の事業所またはグループ会社への配置転換を進めていく。なお同社では、「引続き特殊紙事業は既存製紙3事業の1つとして企業価値向上に努めていく」としている。
【岐阜工場の概要】▽主な生産品目:特殊印刷用紙▽従業員:57名(うち正社員44名)▽主な設備:①5号機(円網多筒、日産7t) ②6号機(長網多筒、日産12t)
(FUTURE 2023年5月29日号)
リンテック/剥離紙の無溶剤化を強化
リンテックはこのほど、剥離紙の製造時に有機溶剤を使わない無溶剤製品の提案・採用拡大を一層強化していく方針を発表した。同社は2030年を見据えた長期ビジョン「LINTEC SUSTAINABILITY VISION 2030」を21年からスタートし、注力テーマの一つとしてVOC(揮発性有機化合物)の大気放出抑制を掲げている。剥離紙の無溶剤化はその一環。
剥離紙は、粘着製品の裏側に台紙として貼り合わされる用途のほか、合成皮革や炭素繊維成形品の製造過程で工程紙に応用されるなど、幅広い産業分野で使われている。剥離紙の製造においては、剥離剤を薄く均一に塗工するため有機溶剤で希釈する必要があるが、石油由来の有機溶剤は塗工後に蒸発して大気に放出されると有害なVOCとして環境に負荷を与えることから、その使用量削減がメーカーにとって課題の一つとなっている。同社ではこれまで、生産拠点に排ガス処理設備の設置を進め、VOC排出量の削減に努めてきたほか、剥離剤の無溶剤処方の開発・提案にも取り組んできた。環境対応のニーズがますます高まる昨今、2021年には無溶剤型剥離紙用の新規塗工設備(写真)を埼玉県の熊谷工場に導入するなど、無溶剤化に向けた取組みを一層推進している。
リンテックは、同社の剥離紙に使用される剥離剤の無溶剤化率を、23年3月期の64%(生産量ベース)から、30年までに100%にすることを目指し、今年度、熊谷工場をはじめ同社で生産する剥離紙全量(一部特殊品を除く)を無溶剤タイプに切り替えていく考え。また、この取組みへの理解促進を図るため、webサイトに無溶剤化について紹介する特設ページ(https://www.releasepaper-film.com/)も新設した。情報発信を強化して無溶剤型剥離紙の採用拡大に注力していく。
(FUTURE 2023年5月29日号)
王子グループ/木質由来エタノール・糖液のパイロット製造設備を導入
王子製紙は、2024年度後半の稼働を目途に、米子工場に木質由来エタノール・糖液のパイロット製造設備を導入する。
同社は「木質由来の新素材」の開発を進める中でも、特に航空業界向けSAF(持続可能な航空燃料)や、基礎化学品製造に利用できる 「木質由来エタノール」、 バイオものづくりの基幹原料となる「木質由来糖液」のニーズ拡大を見込んでいる。木質由来エタノールについてはNEDOプロジェクトで製造技術を磨き、また糖液についても、糖化酵素の回収を含む技術の開発に成功し、サンプルワークを通して多くのユーザーから評価を得ている。
同社では、今回のパイロット製造設備導入により、実用化を見据えたユーザー向けに大量のエタノール糖液を提供するとともに、継続的に技術改良を行い、事業化に向けた取組みを加速させる考え。製紙工場内への設置により、既存のパルプ製造ラインが活用できるほか、工程から副産物として得られるリグニンをバイオマスエネルギーとして利用可能なことから、CO2発生量を抑えたエタノール製造、糖液製造も期待できる。将来的には、2030年に10万のエタノール供給を目指す。
【パイロット設備計画の概要】▽能力:①木質由来エタノール⇒最大1,000/年(重量換算820t/年) ②木質由来糖液⇒最大3,000t/年(糖の乾燥重量)▽原料使用量:木材チップとして約6,000t/年、木材パルプとして約3,000t/年
(FUTURE 2023年5月29日号)
KPPグループホールディングス/欧州で買収を加速
KPPグループホールディングス(=KPP-GH)の連結子会社で、フランス・パリに本社を置くAntalisは事業会社を通じ、欧州で紙関連企業の買収を加速させている。このほど、ポーランド、チェコ、スペインでの買収と事業譲受を発表した。
まず中欧地域では、Antalisの事業会社、Antalis Poland Spolka Z.o.o.(ポーランド・ワルシャワ)が、広告・装飾・パッケージングに関する技術・材料および建材の販売会社「Integart Sp.zo.o.」(ポーランド・ミエンキニャ)と、産業用デジタル印刷技術の販売会社である「Smart LFP IBMT Sp.zo.o.Sp.k.」、「Smart LFP Sp.zo.o.」(いずれもポーランド・カトヴィツェ)の全株式を取得し、子会社化する。またAntalisの事業会社、Antalis sro(チェコ・プラハ)が、「Integart CZ s.r.o.」(チェコ・チェストリツェ)の広告・装飾に関する技術および資材の販売事業を譲り受ける。
これらの会社は、ドイツ、チェコ国境に近いポーランド南西部に拠点を置き、本社のほかにポーランド全土に16拠点、チェコに2拠点、スロバキアに1拠点を持つ。ビジュアルコミュニケーション事業を展開しており、主な取扱商品は、LFP(メディア)、ハードウエア、プラスチック・シートで、ポーランド市場ではLFPが第2位、ハードウエアの取扱いは第1位と、市場のリーダー的存在になっている。また自社ブランドも立ち上げるなど、充実した商品ラインアップを誇る。Antalisはこれらの買収と事業譲受により、ポーランド市場でAntalisのビジュアルコミュニケーション事業のプレゼンスが高まること、ハードウエアの取扱いが確固となること、戦略的サプライヤーとの関係が強固になることなどを見込んでいる。なお、株式取得および事業譲受の成立は、ポーランドの競争・消費者保護庁による許認可取得が要件となっている。
またスペインでは、Antalisの事業会社、Antalis Iberia S.A.(スペイン・マドリード)が、「Embalajes Gosuma S.L.」(スペイン・ブルゴス)の産業用パッケージ(段ボール箱、プラスチック容器、ポリエチレン、粘着テープ、機械などのパッケージ製品)の販売事業を譲り受けた。
Embalajes Gosuma S.L.は、主に自動車業界や食品・医薬品業界向けに産業用パッケージを販売しており、製品に関する幅広い専門知識を持つ。スペイン北部のバスク地方ブルゴスに位置し、フランス国境に近いスペイン東部をカバーしているので、イベリア地域でのAntalisのパッケージ事業拡大が期待できる。
(FUTURE 2023年5月22日号)
JPグループ、特種東海エコロジー/業務提携契約を締結
日本紙パルプ商事(=JP)およびグループ会社のJPコアレックスホールディングスと、特種東海製紙グループの特種東海エコロジーは4月25日、業務提携契約を締結した。
JPグループは現在、国内大手のコアレックスグループを中心に再生家庭紙事業を展開しており、また特種東海エコロジーも再生トイレットペーパーの製造販売を主要事業としている。両社は今回の業務提携により、原料から製造・販売に至るサプライチェーンを拡充し、企業価値の向上につなげる。
【JPコアレックスホールディングス】▽所在地:静岡県富士市▽事業内容 :家庭紙の製造・販売を営むJPコアレックスグループ各社の経営管理▽主要株主:日本紙パルプ商事67%
【特種東海エコロジー】▽所在地:静岡県富士市▽事業内容:トイレットペーパー製造▽主要株主:特種東海製紙100%
(FUTURE 2023年5月22日号)
レンゴーグループ/ドイツ北西部にトライコー社の新工場建設
レンゴー連結子会社のトライウォール社と、その子会社のトライコー社は、ドイツ北西部のノルトライン=ヴェストファーレン州に、トライコー社の新工場を建設する。投資額は約1億7,000万ユーロ(約246億円)。図は完成予想図。
トライコー社は現在、ドイツ南部のバイエルン州にある本社工場(貼合工場)を中心に、重量物段ボール、木材パレットなどの設計・製造・販売および物流サービスを行っているが、ドイツ周辺ではこれらの需要が拡大しているため、新工場を建設し生産能力を増強するもの。
新工場は、ドイツの最先端技術を駆使してオートメーション化を進めた最新鋭の貼合工場となる予定で、重量物包装業界に変革をもたらす工場として、2025年7月の完成を目指す。また、世界が掲げる“2050年カーボンニュートラル”を見据え、より環境に配慮した工場とする。
(FUTURE 2023年5月22日号)
大王製紙/自家消費型メガソーラー発電設備が運転開始
大王製紙グループでは、大王製紙の川之江工場(愛媛県四国中央市)と可児工場(岐阜県可児市)、ダイオーペーパープロダクツの島田事業所(静岡県島田市)の3工場に、新たに太陽光発電設備を設置、このほど運転を開始した。写真は川之江工場の発電設備。
3工場の年間発電量は、合計で約370万kWh(一般家庭約850世帯分)を想定しており、全量を工場で使用する。これにより化石燃料の使用量削減とともに、年間約1,700tのCO2削減に貢献する。
設備の概要は次記の通り。以下、①最大発電量 ②発電量見込み ③CO2削減見込み ④稼働開始時期。
【川之江工場】①1,255kW ②170万kWh/年 ③900t-CO2/年 ④4月
【可児工場】①1,255kW ②170万kWh/年 ③700t-CO2/年 ④4月
【ダイオーペーパープロダクツ島田事業所】①155kW(既設250kW) ②30万kWh/年 ③100t-CO2/年 ④2月
(FUTURE 2023年5月22日号)
日本製紙/TEMPO酸化CNFの粉体品サンプルを提供開始
日本製紙は、TEMPO酸化CNFシリーズから、水分散タイプ『TC-02X』の乾燥粉体品『Cellenpia(セレンピア)TD-02X』を開発し、このほどサンプル提供を開始する。
日本製紙のTEMPO酸化CNFシリーズは、繊維幅約3nmの超極細CNF。今回開発した『TD-02X』は水への再分散性に優れ、水に再分散するとシングルナノファイバー水分散液として、高透明度、高アスペクト比、チキソ性(静置状態では粘度が高く、攪拌すると下がる性質)などのユニークなレオロジー挙動、および懸濁安定性を発揮、水分散体で提供しているTC-02Xと同様の特性を示す。また、粉体での提供となるので、物流費を大幅に削減できるとともに、保管・保存が容易となり、海外市場への展開も含めて適用範囲が大きく広がることが期待される。
なお日本製紙では、石巻工場でTEMPO酸化CNFを産業用途向けに、江津工場でカルボキシメチル化CNFを食品・化粧品用途向けに、それぞれビジネスベースで生産している。また富士工場では、CNF強化樹脂『セレンピアプラス』を実証生産中で、ヤマハ発動機と連携して部品開発を行うとともに、ユーザーへのサンプル提供を実施中。昨秋からはCNF配合天然ゴムの『セレンピアエラス』のサンプル供給体制も整えており、ここに『TD-02X』を加えることで、『セレンピア』シリーズの拡販を目指す。
(FUTURE 2023年5月22日号)
紙・板紙需給速報 3月/紙・板紙国内出荷7ヵ月連続マイナス
日本製紙連合会が集計した2023年3月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比△5.7%の191.7万tで、7ヵ月連続のマイナスとなった。以下、%表記は前年同月比。
国内出荷のうち、紙は△8.1%の92.3万t、板紙は△3.4%の99.4万t。用途別では、グラフィック用紙(新聞用紙+印刷・情報用紙)が△6.9%の66.2万tで14ヵ月連続のマイナス、パッケージング用紙(包装用紙+段ボール原紙+紙器用板紙+雑種紙+その他の板紙)は△4.4%の109.9万tで6ヵ月連続のマイナス。主要品種は情報用紙を除きマイナスだった。
紙・板紙のメーカー輸出は△29.3%の16.9万tで6ヵ月連続のマイナス。うち、グラフィック用紙は塗工紙がアジア向けで減少して△21.1%の5.5万tとなり、9ヵ月連続のマイナス。パッケージング用紙は段ボール原紙を中心に東南アジア、東アジア向けが減少して△32.7%の11.4万tとなり、6ヵ月連続のマイナス。
紙・板紙の在庫は前月比△4.8万tの188.3万tで2ヵ月連続の減少。うち、グラフィック用紙は塗工紙が増加して同+0.2万tの75.8万tとなり、6ヵ月ぶりの増加。パッケージング用紙は段ボール原紙が減少して同△5.2万tの103.8万tとなり、2ヵ月連続の減少。衛生用紙は+0.2万tの8.6万tで3ヵ月連続の増加となった。
〔主要品種の動向〕
*新聞用紙…国内出荷は△7.4%の16.2万tで22ヵ月連続のマイナス。
*印刷・情報用紙…国内出荷は△6.8%の50.0万tで7ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は△21.1%の5.5万tで9ヵ月連続のマイナス。
*包装用紙…国内出荷は△15.0%の5.7万tで4ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は△22.7%の1.5万tで4ヵ月連続のマイナス。
*段ボール原紙…国内出荷は△2.2%の81.0万tで6ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は△35.4%の8.2万tで6ヵ月連続のマイナス。
*白板紙…国内出荷は△6.6%の12.3万tで3ヵ月連続のマイナス。
*衛生用紙…国内出荷は△9.2%の15.6万tで4ヵ月連続のマイナス。
(FUTURE 2023年5月15日号)
日本製紙/製造機の販売も視野にMFCのサンプル提供を開始
日本製紙は、繊維幅をナノからマイクロオーダーにカスタマイズできるセルロース繊維「ミクロフィブリル化セルロース」(=MFC)を開発、サンプル提供を開始する。
同MFCは、日本製紙のセルロースナノファイバー(=CNF)の原料であるTEMPO酸化パルプ、または低置換度カルボキシメチルセルロースを原料とし、解繊方法や解繊程度を自由に変更・設定できることが特徴。粘度や透明度、保水度、ゲル感などを用途に合わせて製造できるため、さまざまな工業用配合材、食品・化粧品添加剤に使用できる可能性がある。また、大量製造・大量使用にも適しており、農業や土木分野での噴霧用資材などへの適応も期待される。
MFCサンプルは、富士工場(静岡県富士市)に設置した可搬・可調整式製造機で製造する。製造機は、MFCの透明度や粘度をさまざまなバリエーションで細かく調整しやすいノズル型と、量産性に優れるディスク型の2種類があり、繊維幅は数ナノメーターからマイクロメーターオーダーまで、自由に解繊度合いを調整できる。
TEMPO酸化MFCおよびカルボキシメチル化MFCは、ともに標準品を揃えているが、透明度や粘度などの物性値は要望に応じてカスタマイズ可能。また製造機は、コンパクトな設計で搬送・組立てが容易なため、ユーザーが同機をオンサイトに設置して原料パルプの供給を受け、オンサイトで解繊度の異なるセルロース繊維を製造・使用することもできる。そうすれば、水分散体CNFを運搬して使用する場合と比べて大幅なコストダウンとなり、日本製紙では、将来的に可搬・可調整式製造機の貸出しや販売も視野に入れていく考え。
(FUTURE 2023年5月15日号)
トーモク/17工場の全使用電力を再生可能エネ由来に切替え
トーモクは、国内の全生産拠点(17工場)で使用する電力を、再生可能エネルギー由来電力へ切り替えた。2021年度から順次導入を開始し、この4月に切替えを完了したもの。全使用電力約53GWhを再生可能エネルギー化することで、年間約2万3,000tのCO2排出削減を見込む。
2022年度は、トーモク単体でScope1(事業者自身が直接排出する温室効果ガス)とScope2(他者から供給された電気・熱・蒸気に伴う間接排出)の合計が13年度比約41%減となった。トーモクグループは、30年度までにScope1と2の合計で、13年度比50%の温室効果ガス排出削減を目指しており、電力の再生可能エネルギー化に加え、燃料の重油から都市ガスへの転換、構内作業用リフトのバッテリー化、照明のLED化、生産設備の省エネルギー化、EVトラックの導入などにより、温室効果ガスの排出削減を加速させていく。
【再生可能エネルギー由来電力導入工場】▽21年度…厚木、千葉紙器、トモプレスト、札幌、大阪▽22年度…神戸、小牧、長野、清水、浜松、館林、岩槻、青森、新潟、山形、仙台▽23年度(4月)…九州
(FUTURE 2023年5月15日号)
丸住製紙/大江工場で衛生用紙の新設備が稼働
丸住製紙は、かねて大江工場で建設を進めていた衛生用紙の抄紙機と加工設備が完成し、4月3日から稼働を開始した。新設備では自社製パルプを利用した衛生用紙を製造する。
同社は2019年からペーパータオル(再生紙品)やウェットティシュなどの衛生用品事業に参入し、積極的に事業展開している。このほど稼働を開始した大江4号抄紙機では、新たにバージンパルプ100%品を生産できるようになるため、食品接触が可能な製品などラインアップが広がる。同社では、手拭用から食品用途まで使用用途に応じて生産できる新設備と、コスト競争力のある既存設備をあわせ、製品ラインアップを拡充して販売を強化、衛生用品事業を拡大していく考え。
【新抄紙機・加工設備の概要】▽生産品種:ペーパータオル、キッチンペーパー、ティシュなどの衛生用品の原紙▽加工品種:ペーパータオル、キッチンペーパーなどの衛生用品▽生産能力:年間約2万6,000t
(FUTURE 2023年5月8日号)
特種東海製紙/トーエイHDと戦略的資本業務提携
特種東海製紙は、環境・リサイクル事業を営むトーエイの持株会社であるトーエイホールディングス(=トーエイHD)の株式70%を取得した。これにより、資源再活用事業を拡大する。
特種東海製紙は現在、環境関連事業を製紙3事業に次ぐ第4の基幹事業と位置づけ、事業領域の拡大を図っている。中でも資源再活用ビジネスは、今後も持続的な成長が期待される分野として、2020年1月に駿河サービス工業がグループ入りしたのを機に、この分野へ経営資源を傾注してきた。今回の資本参加もその一環。
トーエイは、愛知県でも有数の環境・リサイクル事業者であり、その事業内容はプラスチックやガラス、家電リサイクル事業など幅広い部門で構成され、いずれも業績は安定している。特種東海製紙は、トーエイを核とした環境・リサイクル事業の発展と同時に、互いの経営資源を融合することで両社の事業領域の拡大を見込んでいる。
特種東海製紙は、同社が掲げるビジョンの一つである「技術と信頼を背景に、非化石燃料事業を起点とした資源・エネルギー関連事業で循環型社会の構築に資する」を目指す上で、トーエイは欠かせないものになるとしている。
【トーエイHDの概要】▽所在地:愛知県知多郡東浦町▽事業:持株会社・子会社の管理運営
【トーエイの概要】▽所在地:トーエイHDと同じ▽事業:プラスチック・金属・ガラスなどの再資源化等ならびに家電リサイクル、太陽光発電事業、航空機組立請負、下水道メンテナンス等
(FUTURE 2023年4月24日号)
ニッポン高度紙工業/南国市に新会社「NKKソリューションズ㈱」を設立
ニッポン高度紙工業は4月3日、100%出資子会社「NKKソリューションズ㈱」を会社分割(簡易新設分割)により設立した。新会社は、南国工場で行っていたアルミ電解コンデンサ用セパレータなどの裁断加工・出荷業務を継承する。
これにより、同事業の損益構造の可視化と独立採算制を確保できる組織へ転換するとともに、迅速な意思決定と機動的な事業運営を進める。物流環境や労働者不足などの外部環境変化に、柔軟に適応できる組織体制を目指す。
【新会社の概要】▽所在地:高知県南国市▽事業:アルミ電解コンデンサ用セパレータやリチウムイオン電池用セパレータ等の裁断加工、製品出荷・在庫保管業務等
セパレータ製造ラインを米子工場に増設
ニッポン高度紙工業は、米子工場敷地内に製造ラインを増設する。3月1日に新建屋の起工式を執り行い、セパレータ抄紙設備、セパレータ裁断加工設備などの建設を開始した。図の左側が新建屋のイメージ。なお同事業は、経済産業省の「蓄電池の国内生産基盤確保のための先端生産技術導入・開発促進事業費補助事業」に採択されている。
(FUTURE 2023年4月24日号)
大王製紙、丸住製紙、愛媛製紙、DBJ/カーボンニュートラルへのロードマップを策定
大王製紙、丸住製紙、愛媛製紙、が幹事会員となり、日本政策投資銀行(=DBJ)が事務局を務める四国中央市カーボンニュートラル協議会はこのほど、「四国中央市カーボンニュートラル実現に向けたロードマップ」を策定した。同協議会は、2021年6月に大王製紙、丸住製紙、DBJの3社によって設立され、同年7月に愛媛製紙が幹事会員として参画している。
協議会には前述の4社のほかにも、愛媛県と四国中央市の2自治体、伊予銀行、愛媛銀行、愛媛県紙パルプ工業会、愛媛大学の内村教授と中原教授、さらに四国中央市の企業(エネルギー需要家)が参加しており、産学官金の連携体制を構築したうえで、紙産業の集積地である四国中央エリアのカーボンニュートラルについて議論を続けてきた。その結果を踏まえて、大王製紙、丸住製紙、愛媛製紙、DBJの4社は、具体的な方策やロードマップを策定し公表することとしたもの。
製紙業界では、製造工程で必要な熱を供給するボイラーの燃料を、石炭などの化石燃料から水素・e-methane(e-メタン)・アンモニアなどに転換する必要性は認識されているものの、現時点では経済性や必要量の調達面で難しいことから、一足飛びに燃料転換を進めるのは難しいと考えられている。
協議会では、産学官金が連携・情報共有し、現時点で導入可能な技術の実装を地域で推進すること、紙産業の集積地域という特性を活かしてリスクとコストを分散させてトランジションを進めること、他地域と連携しながら中長期的な燃料転換・カーボンニュートラルを実現していくことを重視している。ロードマップでは、①2030年に向けて産学官金が連携し既存技術の実装を推進していくとともに、②技術や政策動向を把握しながら実証実験や新技術の実装(燃料転換)を行うことを想定。また、開発余地の少ない四国中央市では各ステークホルダーが連携し、ヒト・モノ・カネ・リスクをシェアして面的な取組みを進めていく方向性を定めた。
(FUTURE 2023年4月17日号)
KPPグループHD/完全NON-FIT型電源開発事業に参画
KPPグループホールディングスの連結子会社であるBMエコモは、日本アジア投資㈱、長谷工コーポレーション、㈱レクスポート、JA三井リースとともに、パワーエイド三重合同会社(三重県松阪市)が行う「完全NON-FIT型木材・製造業生産副産物ハイブリッド燃料による脱炭素電源開発事業」に参画した。
太陽光などの再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度であるFIT制度が、再エネ賦課金による国民負担などの問題を抱える一方、国民負担に依存しないのが、パワーエイド三重が進める“完全NON-FIT型”の電源構築。
パワーエイド三重では、松阪市のウッドピア松阪内に、2025年1月の商業運転開始を目指して発電所を建設する計画で、同発電所では、ホクト㈱(三重県多気町)の「三重きのこセンター」から排出される廃菌床と、中部圏から排出されるリサイクル木材チップおよびプラスチック系資源を燃料として発電した電力を、燃料提供元であるホクトに供給していく。発電規模は1,990kW、年間想定発電量は約1,647万kWhで、これにより、多気町の廃棄物処理業務の負担を低減しつつ、地域の資源・エネルギー循環に貢献する。
BMエコモは、すでにKPPグループの既存顧客の各事業所で排出される木質系廃棄物や食品系(特に飲料類)の難処理バイオマスを燃料として調達している実績がある。今回の事業では、年間数万tのバイオマス燃料を供給する予定で、また、BMエコモのプラント管理高度化IoTプラットフォーム「BMecomo」を活用し、プラント耐用年数の底上げや管理ノウハウの次世代への承継を支援、数十年にわたるベース電源の供給実現を目指す。
KPPグループは、今まで活用が難しかった食品系副産物などを燃料として活用することで、エネルギー自給率の向上を推進し、廃棄物削減、循環型経済および脱炭素社会の実現に貢献すると同時に、同事業で得られる知見をもとに、自社発電所の運用や、さまざまな企業との脱炭素電源開発の可能性についても検討していく考え。
(FUTURE 2023年4月17日号)
日本紙パルプ商事/バイオ発電関連の子会社2社を合併
日本紙パルプ商事の連結子会社、野田バイオパワーJP(=野田BP)と、子会社の野田バイオフューエルJP(=野田BF)は、4月1日付で合併した。合併方式は野田BPを存続会社、野田BFを消滅会社とする吸収合併で、代表者は野田BPと野田BFの代取社長、大田直久氏が引き続き代取社長を務める。
木質バイオマス発電を行う野田BPでは、使用燃料の加工・投入業務と排出物の処理業務を野田BFに委託していたが、両社が統合することで、燃料の加工から投入、発電、電力の供給、排出物処理までの一貫した発電事業体制を整備し、業務の効率化を進める。
【野田BP】▽本社:岩手県九戸郡野田村▽事業:発電、電気および蒸気の供給と売買に関する事業▽株主:日本紙パルプ商事85.0%(合併後は87.09%)、沼田資源9.0%、日本生活協同組合連合会4.5%、その他1.5%▽2022年3月期売上高:2,918百万円
【野田BF】▽本社:岩手県九戸郡野田村▽事業:燃料用木材チップの加工事業、野田BPが排出する燃殻を産業廃棄物として処分するための加工事業▽株主:日本紙パルプ商事100%▽2022年3月期売上高:246百万円
(FUTURE 2023年4月17日号)
紙・板紙需給速2月/国内出荷、出荷計ともに全品種マイナス
日本製紙連合会が集計した2023年2月の紙・板紙国内出荷は、前年同月比△4.7%の165.5万tで、6ヵ月連続のマイナスとなった。以下、%表記は前年同月比。
国内出荷のうち、紙は△7.9%の81.3万t、板紙は△1.4%の84.1万t。用途別では、グラフィック用紙(新聞用紙+印刷・情報用紙)が△6.4%の58.4万tで13ヵ月連続のマイナス、パッケージング用紙(包装用紙+段ボール原紙+紙器用板紙+雑種紙+その他の板紙)は△2.1%の93.8万tで5ヵ月連続のマイナス。主要品種はすべてマイナス。
紙・板紙のメーカー輸出は△33.2%の12.4万tで5ヵ月連続のマイナス。うち、グラフィック用紙は塗工紙を中心にアジア向けが減少して△29.0%の3.9万tとなり、8ヵ月連続のマイナス。パッケージング用紙は段ボール原紙を中心に東南アジア、東アジア向けが減少して△35.1%の8.5万tとなり、5ヵ月連続のマイナス。
紙・板紙の在庫は前月比△2.8万tの193.4万tで2ヵ月ぶりの減少。うち、グラフィック用紙は塗工紙が減少して同△2.6万tの75.6万tとなり、5ヵ月連続の減少。パッケージング用紙は段ボール原紙が減少して同△1.2万tの108.9万tとなり、2ヵ月ぶりの減少。衛生用紙は+1.0万tの9.0万tで2ヵ月連続の増加。
〔主要品種の動向〕
*新聞用紙…国内出荷は△7.8%の13.6万tで21ヵ月連続のマイナス。
*印刷・情報用紙…国内出荷は△6.0%の44.9万tで6ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は△29.0%の3.9万tで8ヵ月連続のマイナス。
*包装用紙…国内出荷は△4.2%の5.2万tで3ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は△4.3%の1.4万tで3ヵ月連続のマイナス。
*段ボール原紙…国内出荷は△1.1%の67.9万tで5ヵ月連続のマイナス。メーカー輸出は△40.0%の6.0万tで5ヵ月連続のマイナス。
*白板紙…国内出荷は△2.1%の10.6万tで2ヵ月連続のマイナス。
*衛生用紙…国内出荷は△14.2%の13.3万tで3ヵ月連続のマイナス。
(FUTURE 2023年4月10日号)
丸住製紙、北見工業大/CNF『ステラファイン』の抗菌性能を確認
丸住製紙は、北海道国立大学機構北見工業大学(吉田孝特任教授研究グループ)との共同研究により、同社のセルロースナノファイバー(=CNF)『ステラファイン』に抗菌性能があることを確認した。これまで、CNFに金属イオンを担持させて抗菌性を付与する抗菌CNFはあったが、CNFそのものに抗菌性が確認されたのは『ステラファイン』が初めて。
抗菌試験は、『ステラファイン』水分散体・乾燥体のサンプルを使って実施。寒天培地上に『ステラファイン』の乾燥体を乗せた試験では、『ステラファイン』を乗せた所だけ菌が繁殖しなかった。この抗菌性により、腐敗に対する耐性の高さが見込まれ、薬剤無添加で提供できるようにもなることから、防腐剤フリーの天然新素材を配合する製品などに使えるほか、保管方法の自由度も広がる。丸住製紙は、「引き続きステラファインの研究・開発を進め、新たな可能性の探求を続ける」としている。
(FUTURE 2023年3月27日号)
〈7月3日号〉
●R&D情報
環境対応,脱プラを背景に/紙系材料のウエイトが高まった紙加工業界の2022年度業績〈2〉
●ワールドレビュー
中国産代替品の出現で純正品の需要が減退するフラッフパルプ
●話題を追って
経済産業省・農林水産省・国土交通省/連名で「物流適正化ガイドライン」策定
包材の削減対策を加速させるウォルマート/一括配送やAIの活用で最適化を追求
●ワイドフレックス
コアレックス信栄の黒﨑社長/NHK「チコちゃん〜」に2度目の出演
●REPORT
中企庁「価格交渉促進月間」のフォローアップ調査/「紙・紙加工」の価格転嫁率は52.2%
●統計と市況
板紙
●ドイツ市況
紙・板紙・輸入パルプ
●ニュースファイル
企業の動き 団体の動き トピックス 催事 新製品 人事異動
〈7月1号〉特集■コミュニケーションペーパー
特集■コミュニケーションペーパー
●Trend
フォーム印刷業界「現状と課題に関する調査報告書」/“コストの増大”“人手不足”など目下の課題に対応せざるを得ない状況に
●Report
全印工連〈用紙価格等動向調査〉/ かつてない上げ幅を記録 回答企業の8割超が「今後も上昇する」と予想
●Topics
多彩な領域で活躍する“ユポ”/コミュニケーション・ツールとして唯一無二の役割とポジション
◇
●総会から
東京洋紙同業会/内需を的確に捉え価格維持に期待
●Topics
KPPグループホールディングス/ミュージアムタワー京橋にて仙台七夕飾りを展示
●Report
製紙関連企業の2022年度業績/前年度に引き続き事業環境は前途多難 営業・経常利益は6割減も
メーカー別古紙消費2022年/再編やコスト重視で使用品種に変化 可視化される増設や事業撤退の影響も
●Lecture
古紙再生促進センター/ポテンシャル秘めたインドネシアの実情
紙パ倶楽部/寺島実郎氏「重要なのは総合エンジニアリング力」
●New Products
くらしと紙/大王製紙
●統計
板紙/23年3月度生産実績 前年比91.6%
段ボール/3月度の段ボール生産 前年比97.3%と減少
パルプ・パルプ材/輸入N材の集荷が18年3月以来の20万t超に
出版/書籍・雑誌の返品率 上昇傾向が顕著
●インフォメーション
2023年 <7月号> 特集/多様なニーズに対応する新しい製紙用薬品
特集/多様なニーズに対応する新しい製紙用薬品
●特集寄稿
抄紙工程改善剤PMシリーズについて
星光PMC㈱ 製紙用薬品事業部 山戸海里・久米田和寛
新規紙包材向け水系コーティング剤の開発
荒川化学工業㈱ 研究開発本部 水系ポリマー開発部 佐藤輝彰
製紙用酵素製剤“MAXIMYZE”と各種セルロース繊維に対する効果
三晶㈱ 中央研究所 新地将大・永野淳二・小田涼太
資源循環型社会の発展に貢献するクリタの最新ソリューション ─ 古紙利用率向上による操業課題と対策
栗田工業㈱ 紙パ・コンビナート技術部 賀川泰裕
◇
●寄稿
チャットGPTの可能性を探る ─ 製紙技術者にとっての有能な助手となり得るのか
山崎秀彦
●特別寄稿
カーボンニュートラル ─ 中国製紙産業によるGXへの道
中国紙パルプ研究院有限公司 黄挙・郭彩雲
●関連記事・データ
メンテック/「TAPPICon 2023」でDSP技術を訴求 ─ 関谷社長によるプレゼンも実施
データシート/2021年度エネルギー需給実績(確報)
●業界動向
日本包装技術協会/木下賞贈呈式および通常総会を開催 ─ 新会長に東洋製罐グループHDの大塚氏
藤原科学財団/学士会館で「第64回藤原賞」贈呈式 ─ 樽茶清悟・岡部繁男両博士が受賞
日本衛生材料工業連合会/第88回通常総会で花王社長・澤田氏が会長再任 ─ 日中衛生用品企業交流会を11月にマレーシアで開催へ
日本不織布協会/日用品・自動車の環境対策と堤防技術をテーマ ─ 「ANNA講演会」を5月26日にオンライン形式で開催
SGEC/PEFCジャパン/PEFC本部のマイケル・バーガーCEO来日に合わせセミナーを開催
NEW環境展/地球温暖化防止展/廃棄物・バイオマス利用技術が一堂に ─ 3日間で9万人以上を動員
●連載
老舗を再生させた三代目が,どうしても伝えたい「経営革新」講義(127)
「これだけ!会社の数字」@北陸の信用金庫主催のセミナー (Part 4) 中山裕一朗
●ニュース・統計
機械・紙材業界短信
月間ニュース
海外情報
アジア通信
イベントカレンダー
紙パルプ製品・設備・原材料 月別需給統計〈令和5年3月度〉
〈6月26号〉
●R&D情報
原材料コスト上昇を価格転嫁でカバーできず/営業利益率が4%台に低下した紙加工業界の2022年度業績〈1〉
●ワールドレビュー
増加する欧州の紙器用板紙 設備は脱プラ需要で吸収可能か
●話題を追って
日本洋紙板紙卸商業組合 全国大会〈研修会〉/これからの“紙”をめぐり白熱の討議
●統計と市況
紙
●中国市況
原料、紙・板紙製品
●米国市況
古紙
●ニュースファイル
企業の動き 団体の動き トピックス 移転・変更 人事異動
2023年 <Vol.34 No.1> 特集 自動車新時代の事業展開と不織布
特集 自動車新時代の事業展開と不織布
●インタビュー
優れた製品開発力と充実した研究・設備体制で新時代に挑戦
㈱オーツカ代表取締役社長 大塚有企朗氏
●市場・製品展開動向
車室快適性創造で役割大きい機能性不織布 ─ 静粛性や空清機能の向上と高級感の演出に一役
●企業展開
高級感を演出し環境性能にも優れるウルトラスエード®の内装用途が拡大 東レ㈱ 西村知洋氏
工程簡略化と熱成形時の省エネ実現でCFRPの普及拡大を支援 ㈱クラレ 井上由輝氏
新幹線“融雪散水区間”でも機能発揮する“全天候型吸音材”を開発 三井化学㈱ 市川太郎氏 中島友則氏 村瀬真央氏
帝人/CFRTP中間材が米航空関連認証を取得 ─ 織布状ならびに積層板状では世界初
人とくるまのテクノロジー展/次世代自動車の快適空間や環境性能を訴求 ─ 国内外499社が最新技術を紹介
●日系企業の海外進出動向
世界経済再開で自動車・環境製品に動き ─ アジアを中心に加速する海外への生産シフト
●特別寄稿
最近のセルロースナノファイバー関連トピックス
東京大学大学院農学生命科学研究科 磯貝明
光透過型地合測定器“FMT─4”の開発
野村商事㈱ 森光亮信
●企業展開
印刷適性に優れる“アクスター®PF”で紙・フィルム代替需要を開拓 東レ㈱ 安東克彦氏
●誌上展示
金井重要工業/特長を活かした製品づくり
シンワ/5つの製法であらゆるニーズに対応
青山産業/フェルトの無限の可能性を求めて
ツジトミ/フィルター・包材用途を開拓,中国ではメルトブローも生産
ドクター製作所/ロールの汚れを解決するドクターブレードとドクター装置
●Pickup
突起のついた不織布製シートで頭を拭くだけ“宇宙きぶん スペースシャンプーシート”
自然に優しく減プラに貢献する水解性・生分解パルプ不織布“ハイビオス(HyBioth)”
●マーケット探訪
プリント基板用研磨不織布/高度な研磨により小型化・高密度化を支援
●業界動向
相川鉄工/紙造りの技術蓄積を次世代素材開発へ ─ CNF・MFC生産用 新型リファイナー製品化
機能紙研究会/「機能紙研究会誌 No.61号」を発刊
東洋紡エムシー/環境・機能材事業を第三の柱に ─ 東洋紡と三菱商事が新社発足で共同会見を開催
帝人/業界最薄クラスのガス拡散層を開発 ─ 燃料電池の小型化や高性能化に貢献
帝人フロンティア/高機能ハイブリッド中綿を積極展開 ─ 保温・発熱・消臭・制電から環境性能まで追求
住友ベークライト/紙抄き技術で再生炭素繊維をシート化 ─ リサイクル炭素の新たな活用可能性を示唆
日清紡テキスタイル/土に還る綿100%の育苗ポットを開発
SDKI/アラミド繊維の市場規模と成長性を調査
EDANA/INDEX 23を4月18〜21日ジュネーブで盛大に開催
EDANA/大欧州の不織布生産量はパンデミック以前より3.3%増
海外動向・中国/2022年不織布生産量は814万tで微減横這い
日本不織布協会/日用品・自動車の環境対策と堤防技術をテーマに
●ニュース・統計
国内ニュース
海外情報
製品開発ニュース
不織布統計(2022年3月〜23年3月)
〈6月2号〉
●Review
世界の紙・板紙需給2021年/コロナ禍の出口が見え4年ぶり前年増 パッケージング用紙への偏重が加速
●Trend
印刷業の経営/倒産件数は前年比3割増も 需要減退とコロナ禍で厳しさ増す
●Article
海外動向/米国・欧州に見る製造業の課題と紙パのエネルギー問題 豊福邦隆
●Lecture
NEDOパネルディカッション/発展・拡張する“CNF”の世界 先駆者たちが語る「わが社の戦略」
第6回生産性シンポジウム/サーキュラーエコノミーで循環型ビジネスは向上するか
●Topics
レイメイ藤井 熊本本店の新社屋/全館ライブオフィスの落成を180名が祝う~新たな経営理念、企業ロゴを発表~
関東製紙原料直納商工組合/組合創立60周年記念式典を盛大に挙行
●総会から
日本製紙連合会 定時総会/広報活動で新たなパンフレットの作成へ
中部ファイバーズクラブ/第40回通常総会 仕入の過当競争を避け中部の団結力を示す
近畿製紙原料直納商工組合 第57回通常総会/「安定した利幅の確保が不可欠」 新理事長に塩瀨宣行氏を選出
関東製紙原料直納商工組合 第60回通常総会/不確実性の時代に対応できるスピード感のある経営を
東京都製紙原料協同組合/商業印刷などのシュリンクで業界に逆風。東京協組が問題解決する場と役割を提供していく
全国段ボール工業組合連合会総会・記者懇談会/「老・壮・青のバランスで安定成長へ」と大坪理事長
日本フォーム印刷工業連合会/「同じベクトルの延長線上で価値高める」
日本洋紙代理店会連合会/新会長にSPPの三瓶悦男社長を選出
日本板紙代理店会連合会/物流における2024年問題は大きな課題
●統計
東京市況/コーテッド紙は 生損保、金融で減退
家庭紙/TP再生物においても 進む長尺化
古紙/3月度の回収率 5ヵ月連続の70%台
●インフォメーション
〈6月19日号〉
●R&D情報
2022年度の営業・経常利益は6割減/23年度も前途多難の事業環境が続く製紙関連10社の収益見通し
●ワールドレビュー
中南米で段原紙・段ボール設備の増強を図るスマフィット・カッパ
●話題を追って
NEW環境展2023/大盛況となった環境分野の展示会
●REPORT
中国造紙協会の2022年報告/コロナ収束も消費は4年ぶりマイナス
●統計と市況
関連指標
●米国市況
グラフィック用紙
●ニュースファイル
団体の動き 企業の動き 決算
〈6月12日号〉
●R&D情報
1人当たり消費量は1.6kg増の32.8kg/コロナ禍による前年の落込みから急回復した21年の世界古紙需給
●ワールドレビュー
大増設があっても長期的には供給不足が続くアジアの紙器用板紙
●今週の焦点
全段連が4年ぶりに記者懇談会を開催/「老・壮・青のバランスで安定成長へ」と大坪理事長
関東製紙原料直納商工組合/組合創立60周年記念式典を盛大に挙行
製紙連・加来会長が定時総会で挨拶/環境優位性でサステナブル社会に貢献
●ワイドフレックス
国際環境NGO主催の勉強会/「プラ時代を終わらせる国際条約を」
●話題を追って
平和紙業『「本」展2022-2023 BOOKS』/コストベネフィットを満たす銘柄が勢揃い
●R&D情報関連付表
世界の国・地域別古紙需給(2020〜21年)
世界各国の古紙回収率・利用率試算(2020〜21年)
●アジア市況
輸入古紙,輸入パルプ
●米国市況
パッケージング用紙
●ニュースファイル
企業の動き 団体の動き 決算 トピックス
〈6月5日号〉
●R&D情報
紙・板紙合計とは順位が異なる1人当たり消費量…/上質より中質、非塗工より塗工が伸長した世界のグラフィック用紙〈2〉
●ワールドレビュー
過去10余年で最低水準となった 北米紙パ業界の1〜3月期業績
●Future’s EYE
〜第13回 板紙・段ボール産業 労使幹部セミナー〜/トラック物流の2024年問題や、対話の重要性などを労使間で共有
●R&D情報関連付表
世界の国・地域別
グラフィック用紙の生産と消費(2020〜21年)
●統計と市況
原材料
●国際市況
市販パルプ
●ニュースファイル
企業の動き 団体の動き 決算 新製品 トピックス