2019
Archive for 2019
2019年 <9月号> 特集/操業改善と品質向上・機能開発の技術
特集/操業改善と品質向上・機能開発の技術
●特集寄稿
最新のKP設備について
バルメット㈱営業部 毛受正治
製紙技術者のためのデータ処理テクニック その7:カレンダリングにおける紙物性の評価モデル
山崎秀彦
ほぐれにくいトイレットペーパーの原因追及と対策
静岡県工業技術研究所 富士工業技術支援センター 齊藤和明・深沢博之・齊藤将人・杉本芳邦
紙の力学的疲労とその評価
京都大学 山内龍男
プラスチック包材から紙の包材へ 〈Ⅱ〉─ 紙化のトレンドと複合包装材リサイクルの分離技術
岩崎誠
ジェイ・ウェル,日本ハネウェル/計装技術セミナー・展示会を富士市で開催 ─ IIoTなどハネウェルの最新技術を紹介
FDT Group日本支部/産業オープンネット展でFDT技術を紹介 ─ フィールド機器の統合とアセット管理を実現
◇
●業界動向
下水道展’19横浜/排水・汚泥処理技術を中心に紙パでも実績をもつ企業が多数出展
バルメット/汚泥濃度・含水率測定の最新技術を下水道展で披露
紙パルプ技術協会/ウエットエンドの最新技術を報告 ─ 第24回製紙技術セミナーを6月12,13日に開催
●海外動向
ベトナム/2019〜20年に紙・板紙年産能力が140万t拡大
中南米/中南米でプラスチック製品の規制強化へ ─ 約1億人の消費者に影響
●データシート
紙・板紙および原材料需給(2019年上半期)
●連載
老舗を再生させた三代目が,どうしても伝えたい「経営革新」講義(81)アップサイクルは“もったいない”精神から!
中山裕一朗
●ニュース・統計
機械・資材業界短信
月間ニュース
海外情報
アジア通信
イベントカレンダー
紙パルプ製品・設備・原材料 月別需給統計〈令和元年6月度〉
<9月1号>特集■サニタリー
特集 ■ サニタリー
《大人用紙おむつ/ベビー用紙おむつ/生理処理用品ほか》高齢者人口のボリューム増で需要拡大 製品の高機能・高付加価値化進む
《紙おしぼり/ウエットティシュ》「トイレに流さないでください」マーク表示と動画公開で啓蒙活動進める
売れ筋商品紹介
6品種の生産・販売会社リスト
◇
●Report
製紙関連企業の設備投資動向/対売上高比率は5%台を維持 転抄や維持更新が主体
紙加工関連企業の設備投資動向/原材料費続騰の懸念から減少へ 対売上高比率は5%割る
消費税率引き上げに対する企業の意識調査/実施すべき」「実施すべきでない」が拮抗
●催事
日本製紙連合会《ペーパーEXPO 2019》/紙を“さわれる!まなべる!”夏休みに5,266名のキッズが集結
日本フォーム印刷工業連合会/《サーバントリーダーシップ連続講座(1)》聖書・仏教・論語にも通ずる企業の成功哲学
大阪洋紙同業会《第24回大阪フォーラム》/日本経済新聞社の安西巧さんが関西経済を語る
大阪和紙三団体《夏の会合》/家庭紙の海外製品のシェア徐々に高まる 駆け込み需要後の値崩れが心配
●総会から
伊予カミ倶楽部/第29回総会、懇親ゴルフコンペを開催 コンペ優勝者は㈲紙商高石・高石敏之社長
●製品紹介
くらしと紙/王子ネピア
●統計
板紙/19年5月度生産実績 前年比99.8%
段ボール/段ボール生産量実績 5月度は前年比95.9%
パルプ・ パルプ材/BKP・UKP共に輸出が大幅減
出版/19年上半期 市場は4.9%減
●インフォメーション
紙パルプ産業と環境 2020「SDGsと持続可能な社会への貢献」
〈9月2日号〉
●R&D情報
拡充・改善は進むが課題も多い/外国人技能実習制度に焦点を当てた東段工の合同セミナー〈1〉
●ワールドレビュー
巻取輸入−国内小判加工による関税逃れを問題視する米国業界
●今週の数字
2018年上半期の紙・板紙貿易/輸出低調、輸入拡大で出超幅が圧縮
●REPORT
全印工連「印刷業経営動向実態調査」/財務は健全も収益性、成長性に課題
●今週の数字
電通調査 上半期のマスコミ4媒体広告量/地上波TVスポットを除き前年割れ
●統計と市況
関連指標
●中国市況
古紙・パルプ
●ドイツ市況
紙・板紙、古紙
●ニュースファイル
企業の動き 決算 トピックス 人事異動
<8月2号>
●催事
イデシギョー/創立70周年記念式典・祝賀会 先見性と決断力で飛躍的発展を実現 帝国ホテル東京で盛大に開催
ラベルフォーラムジャパン2019/リンテックなどが出展 粘着素材分野で“環境立国ニッポン”を牽引
●Topics
日本紙類輸出組合・日本紙類輸入組合/東京港洋上視察研修で貿易業務への理解を深める
●Report
印刷関連業の2018年度業績/微増収も営業減益目立つ原材料価格上昇の余波大きく
紙加工関連企業の2018年度業績/2兆円の大台も明暗分けた製品価格転嫁への進捗度
●総会から
機密情報抹消事業協議会/2019年度定時社員総会・認定制度説明会・懇親会を開催 適合証明検査基準Ver.1.0」を作成、配布 事業協議会を、事業者協会に改称
日本巻取紙工業連合会/薄物減、板紙増の需要構造の変化 業界の生き残りを掛けて、加工賃の見直しが必定
●催事
西日本段ボール工業組合「ホワイト物流」推進運動説明会/段ボール会社は発荷主・着荷主の双方の立場 運動への積極的な参加を呼び掛ける
第48回 金沢ペーパーショウ/《見て・触れて・楽しむ》恒例の紙イベント 迫力の書道パフォーマンスも披露
インテリアライフスタイル2019/高感度なデザインで異業種へ訴求 MEETS TAKEGAMI、山陽製紙、竹尾が出展
第66回大阪紙商野球大会決勝戦/三信商会が廣川HDを下し初優勝 昨年準優勝の雪辱果す
名古屋紙商事《鬼頭正男氏「偲ぶ会」》/中部紙業界の発展に尽くす多くの参列者が故人の遺徳を偲ぶ
オザックス/女性社会進出の先導役「尾㟢公子さんお別れの会」に1,000人を超える関係者が参列
●統計
東京市況/全体的に需要が低調 一部紙離れ要因も
家庭紙/輸入紙の販売が微増傾向
古紙/5月度の回収率2ヵ月ぶりの70%台
●インフォメーション
〈8月26日号〉
●R&D情報
AI活用から異業種との連携まで/多様なアプローチで材料・用途の開発を進める製紙関連企業〈3〉
●ワールドレビュー
厳格な輸入規制下でも急増する米国古紙のインドネシア向け輸出
●今週の数字
1〜6月期の紙・板紙需給/国内出荷は衛生用紙を除きマイナス
●話題を追って
第26回 東段工合同セミナー/人材不足や熱中症対策などがテーマ
●この人
北越コーポレーション 関本修司 取締役/鉄道コンテナ活用で販売費を削減
●REPORT
2018年の欧州製紙産業/域外輸出が2年連続で2,000万t台に
●統計と市況
紙
●ニュースファイル
企業の動き・団体の動き・決算・トピックス・人事異動
〈8月19日号〉
●R&D情報
“脱プラ”もモチベーションの一つに/新たな材料開発と応用展開に注力する紙パの研究開発活動〈2〉
●ワールドレビュー
中国の板紙需要に対応し大増産体制に入る世界の再生未晒パルプ
●話題を追って
日本紙類輸出組合・日本紙類輸入組合/東京港洋上視察研修に34名が参加
●ワイドフレックス
産業界の規制改革要望結果/でん粉価格調整制度の見直しは困難
●Future’s EYE
国際リサイクルシステムの変化と各国の反応/再生資源の品質向上に向けた投資と分業は進むのか〈2〉
●中国市況
古紙・パルプ
●国際市況
市販パルプ
●米国市況
板紙・包装用紙
●ニュースファイル
企業の動き・団体の動き・トピックス・決算・新製品
中国国際造紙科技展覧会(上海)開催に合わせ中国造紙学会と共同企画
紙業タイムス社およびテックタイムスは2019年10月10~12日の3日間、中国・上海の世博展覧館で開催される「中国国際造紙科技展覧会・会議」(CIPTE;2019 China International Paper Technology Exhibition and Conference)に合わせ、協賛誌として中国造紙学会と“日本特集”を共同企画する。
このCIPTEは中国造紙協会、中国造紙学会、中国紙パルプ研究院が主催。中国における紙パルプ技術に関する最大規模の国際展示会として内外の高い評価を獲得しており、出展者には欧米の紙パ機械・関連機器メーカーが顔を揃え、中国の最新技術に加え世界の先端技術が一堂に会する場となっている。
紙業タイムス社およびテックタイムスはこの展示会に合わせ、中国造紙学会との協力関係に基づき同学会発行の月刊誌『中国造紙』8月号で“日本特集”を共同企画。同号は読者に郵送されるとともに、展示会会期中は来場者へも配布される。
機能紙研究会/第58回 機能紙研究発表・講演会を11月21日に高知で開催
特定非営利活動法人・機能紙研究会では11月21日高知市で「機能紙、未来技術の創出に向けて」をテーマに第58回機能紙研究発表・講演会を、翌22日には交流会並びに見学会を開催する。開催概要は以下の通り。
〔研究発表・講演会〕
日 時:2019年11月21日(木)
会 場:高知商工会館
内 容:特別講演2件、一般講演7件
〔ポスター研究発表及び新製品展示会〕
日 時:2019年11月21日(木)
会 場:高知商工会館(高知市本町1-6-24)
出展数:10小間程度
〔交流会〕
日 時:2019年11月21日(木)夕刻
会 場:高知サンライズホテル(高知市本町2-2-31)
〔見学会〕
日 時:2019年11月22日(金)
見学先:県内団体企業(未定)
研究発表・講演会プログラム:主題「機能紙、未来技術の創出に向けて」
<午前の部>
「開会挨拶」機能紙研究会会長/磯貝明氏
(1) 「エレクトロバブルスピニング法によるナノファイバーの量産技術開発
~エアフィルターからiPS細胞培養基材まで」廣瀬製紙㈱ナノファイバー事業
化推進室/岸本祐輝氏
(2) 「粒子捕捉性バインダーパルプ“KPUL”の開発」日本エクスラン工業㈱
研究開発部副課長/小見山拓三氏
(3) 特別講演「生分解性バイオマスプラスチックに求められること」東京大学大学院
農学生命科学研究科生物材料科学専攻教授/岩田忠久氏
<午後の部>
「通常総会」
(4) 受賞記念「日本学士院賞を受賞して」東京大学大学院農学生命科学研究科生物材
料科学専攻教授/磯貝明氏
(5) 特別講演「イノベーション戦略の理論と実践」神戸大学大学院科学技術イノベー
ション研究科教授/山本一彦氏
(6) 「レーヨンの環境サイクル及び新たな分野を担うレーヨン素材の提案」
ダイワボウレーヨン㈱商品開発部商品開発部長/林誠氏
(7) 「セルロースナノファイバー添加がパルプ繊維シートの物性に及ぼす影
響」東京農工大学大学院農学研究院講師/小瀬亮太氏
(8) 「オールセルロースの高強度CNF材料とその応用」北越コーポレーショ
ン㈱新機能材料開発室研究ユニットリーダー/根本純司氏
(9) 「使用済み紙おむつRecycle技術開発進捗」ユニ・チャーム㈱参与/亀
田範朋氏
(10)「不織布産業の最新トピックス~海洋プラスティック問題を中心にし
て」日本不織布協会顧問/矢井田修氏
「閉会挨拶」機能紙研究会副会長/濵義紹氏
〔問合せ先〕
特定非営利活動法人・機能紙研究会
事務局(担当:森川・紀伊)
〒799-0101 愛媛県四国中央市川之江町4084-1
TEL 0896-58-2055 FAX 0896-58-6240
e-mail kinoushi@e-kami.or.jp
http://www.e-kami.or.jp/HP/kinoushi
『紙・不織布・フィルム 加工ガイド2020-市場と技術』
プラスチック問題に焦点をあてた『加工ガイド2020』を刊行
テックタイムスと紙業タイムス社の共同企画・編集による『紙・不織布・フィルム/加工ガイド2020―市場と技術―』を2019年7月30日に刊行した。
本書は、近年の急激な時代変化を背景に進展する紙や不織布・フィルムなどシート加工製品の開発状況を踏まえ、「紙パルプ技術タイムス」の特別企画号として毎年発行しているもの。今回はとくに、海洋プラスチック問題や廃プラスチック問題などの深刻化にともない代替素材として期待が高まる紙・板紙や木質系素材、自然由来の生分解性プラスチックに焦点をあてた。
A4判・本文192頁、定価8,000円(税・送料別)。
主な内容は以下の通り。
〔市場・技術動向〕
「令和」という不確実性の時代に製紙産業のメガトレンドを探る/東京大学名誉教授・尾鍋史彦
プラスチック包材から紙の包材へ ─ 内外で活発化する代替素材の製品開発/岩崎誠
国際不織布産業総合展示会「IDEA2019」に見る製品開発トピックス/技術ジャーナリスト・塩谷隆
報道発表などに見る最近の製品開発(2018年7月〜19年6月)
〔開発事例〕
日本製紙/詰め替えにかわる新発想の紙容器“SPOPS(スポップス)Ⓡ”の開発
三菱製紙/バリア性・ヒートシール適性などを備えた食品包装用コート紙“barricote(バリコート)”
大日本印刷/アルコール等の香気・風味を維持する“DNP低吸着包材(液体紙容器)”
平和メディク/国産初となる紙ストローの量産へ ─ 食品・医療分野で培ったノウハウを活用
ユニチカ/ストロー向け生分解性樹脂「TP─5040」
環境経営総合研究所/微細な紙パウダーを重量比51%以上含有させた成形材料“MAPKA”
GSアライアンス/次世代型高機能最先端素材“Nano Sakura” ─ 各種樹脂+CNF複合材料,でんぷん・紙・木がベースの生分解性プラ
産業技術総合研究所/植物・鉱物由来成分から成る複合膜 ─ 透湿性に優れた紫外線カットフィルムとして期待
竹尾/紙に電気が通る! ─ PAPER TORCHが示すファインペーパーと導電性インクの可能性
大興製紙/CNF入りタオルペーパーの開発 ─ 薬品添加なしで使用に耐える品質を達成
リンテック/残留物レスの非転着タイプ改ざん防止用ラベル素材 ─ 高級化粧品の外箱や免税袋などの開封防止対策に
ユポ・コーポレーション/圧電性ユポ(開発品)の開発と商品化事例 ─ エレ・アコギター用コンタクトセンサーに採用
〔加工関連データ〕
紙・板紙 印刷,段ボール 包装資材・容器,段ボール 粘着テープ,壁紙 衛材・コスメ製品 不織布 紙おむつ・マスク
〔加工製品資材 品種・銘柄データ〕
印刷・情報 印刷・その他 包装・パッケージ 粘着・剝離 産業・工業用資材 土木・建築 家庭・衛生 その他
〔最新技術情報〕
小林製作所/テスト抄紙設備を充実 ─ 小型抄紙機:ちょい抄きくん,不織布用密閉式傾斜フォーマ:KKフォーマ
伸興/品質を改善する紙粉・繊維屑除去装置,静電気除去装置
金陽社/製紙カレンダー用樹脂ロール“ZE─Kシリーズ”
チノー/赤外線多成分計 IMシリーズ
東光計器/ポータブル水分計
東京計器/素材検査装置“M─CAP シリーズ”
春日電機/エレクトレット加工システム コロナプラズマ表面処理装置、生産現場での事故・トラブルを未然に防ぐ静電気除去装置
紙・板紙需給速報5月/紙・板紙の国内出荷増は衛生用紙のみ
日本製紙連合会が集計した5月の紙・板紙国内出荷は前年同月比△3.3%の202.1万tで、前月の増加から減少に転じた。うち、紙は△2.8%の101.9万tで24ヵ月連続減。板紙も前月の増加から減少に転じて△3.9%の90.6万t。主要品種の中で前年同月比がプラスだったのは衛生用紙のみ。
紙・板紙のメーカー輸出は前年同月比△34.2%の9.6万tで、7ヵ月連続の減少。うち、紙は△32.8%の7.0万tとなり、7ヵ月連続減。板紙は9ヵ月連続減で△37.6%の2.6万t。紙・板紙ともに東アジア、東南アジア向けを中心にアジア向けが減少した。
紙・板紙の在庫は前月の減少から増加に転じ、前月比+12.8万tの212.3万tとなった。うち、紙は+7.8万tの135.7万t、板紙は+5.0万tの76.5万tで、紙、板紙ともに前月の減少から増加に転じた。紙は塗工紙を中心に新聞用紙、衛生用紙も増加、板紙は段ボール原紙が増加した。
〔主要品種の動向〕
新聞用紙:国内出荷は前年同月比△7.9%の19.6万tで19ヵ月連続減。
印刷・情報用紙:国内出荷は△1.3%の56.4万tで5ヵ月連続の減少。メーカー輸出は△42.9%の4.6万tで7ヵ月連続減。
包装用紙:国内出荷は△5.3%の5.7万tで2ヵ月連続の減少。メーカー輸出は+9.9%の1.4万tとなり、3ヵ月ぶりに増加した。
衛生用紙:国内出荷は+1.7%の14.6万tで3ヵ月ぶりの増加。
段ボール原紙:国内出荷は△4.1%の72.8万tで前月の増加から減少に。輸出は△38.4%の2.4万tで9ヵ月連続の減少。
白板紙:国内出荷は△4.2%の11.4万tで7ヵ月連続の減少。
(Future 2019年7月8日号)
北越コーポレーション/三菱商事との業務提携を解消
北越コーポレーションは、三菱商事との業務提携を、7月20日の契約期間満了をもって解消した。
北越コーポレーションは2006年、原材料の調達や国内外紙販売に関する協業などを目的に、三菱商事と業務提携契約を締結し、同社の取引基盤を活用してグローバル化を拡大してきた。
今回の提携解消は、この提携で一定の成果を出せたことに加え、紙パルプ産業のグローバル化の進展に伴う急激な事業環境の変化に対応するため、合意したもの。なお、両社は引き続き良好な関係を継続していくとしている。
三菱商事は北越の発行済株式総数の19.32%を所有する主要株主。また、北越が三菱商事グループから原材料を購入している一方、三菱は北越製品を購入・販売している。
(Future 2019年8月19日号)
王子グループ/ミャンマーで水事業を拡大
ミャンマーで水事業を展開する王子ミャンマーパッケージング社の用水製造設備(写真)がこのほど、ミャンマーのビール会社最大手、ミャンマーブルワリー社のビール生産工場に導入、運用が開始された。
ミャンマーブルワリー社(三橋英記社長)は、キリンホールディングスが55%を出資し、現地企業と合弁で経営しているビール会社。ビール増産に伴う用水使用量の増加のため、今回の設備増設となった。王子ホールディングスは、「ビール生産に使われる用水には厳格な水質基準が設けられているため、用水製造設備の設計と増設にあたっては、王子の経験と技術を活用した」と述べている。同工場では新設備により、工業用水で最大740/日、生産用水で最大840/日の用水製造が追加できることとなる。
さらに、ミャンマー経済の中心都市、ヤンゴンで開発が進められている大型複合施設でも、王子が展開する限外ろ過膜装置と遠隔監視システムが組み込まれた生活用水製造設備および排水処理設備が採用された。下図は大型複合施設の外観イメージ。
王子の限外ろ過膜装置はこれまで、排水処理や工業用水製造設備への展開が中心だったが、王子グループは今後、生活用水製造用としても展開していく方針。さらに、IoT技術の活用により、遠隔で水処理設備を監視して維持管理を行う遠隔サポートサービスも開始しており、ミャンマーでも積極的に展開していく意向。
王子グループは、水資源の有効活用や環境負荷軽減につながる水処理設備を通じ、東南アジアを中心とした国内外で革新的な技術を提案していく方針。
〔大型複合施設の概要〕
所 在 地:ヤンゴン市中心街
用 途:オフィス、ホテル、商業施設
総事業費:約377億円
竣工予定:2020年
水処理設備:生活用水対象水量900/日(限外ろ過膜装置)、排水処理対象水量500/日(生物処理)
(Future 2019年7月22日号)
レンゴーグループ/サンコーが新工場を建設
レンゴーの連結子会社で徳島市に本社を置く㈱サンコーは、徳島県阿波市に新工場を建設し、本社を移転する。
サンコーは、生産能力拡大のためリニューアルを検討していたが、現工場は敷地が手狭で、また周辺は住宅地化が進んでいることから、レンゴーが所有する代替地に新たに工場を建設することにしたもの。新工場は2021年4月の完成を目指し、現工場は新工場稼働後に生産を停止する。その後の用途は未定。
〔サンコーの概要〕
本 社:徳島県徳島市不動本町2-150
代表者:兼田哲邦
資本金:6,500万円
株 主:レンゴー73.9%、朝日段ボール15.0%、㈱三井11.1%
事 業:段ボールシート、ケースの製造・販売
売上高:18億3,000万円(2019年3月期)
従業員:44名
(Future 2019年7月8日号)
北越コーポレーション/長岡技術科学大学と包括的連携協定を締結
北越コーポレーションはこのほど、長岡技術科学大学と包括的連携に関する協定を締結した。
これにより、長岡技科大の持つ学術的知見を、北越が進めているセルロースナノファイバー(CNF)などの新製品開発や既存商品の機能強化などに活かし、製品価値の向上と開発のスピードアップを図る。また、世界的に注目されている「マイクロプラスチック」問題などで協力するとともに、SDGsに関する取組みも進める。
さらに、北越は学生の実務訓練生としての受け入れや工場見学などを通じて、長岡技科大が進める「実践的・創造的な能力の開発」に協力するほか、長岡技科大の男女共同参画推進室の取組みに協力する。留学生の実務訓練生受入れや、海外からの長岡技科大への見学団の工場見学受入れなども実施する。
(Future 2019年7月8日号)
大王製紙/愛媛県とCNFを用いた塗料の共同開発に着手
大王製紙はこのほど愛媛県と共同で、セルロースナノファイバー(CNF)を用いた陶磁器などの高機能塗料の実用化に向けた研究開発に着手した。
愛媛県は2016~18年度の3年間、CNF利用の可能性を検討
する「愛媛CNF関連産業振興事業」を実施、大王製紙はこの事業でアドバイザーを務めた。同事業では産学官が連携してCNFを利用した試作品の開発に取り組んできたが、その研究成果の一つが、砥部焼に多層絵付けができる技術。愛媛県と大王製紙は、この技術を基盤にした陶磁器・ガラス用塗料の実用化に向け、共同研究契約を締結したもの。
大王製紙と愛媛県が取り組む研究開発では、陶磁器やガラスなどの塗料にCNFを配合することで、立体感のある重ね描きや曲面への塗布など、従来技術では実現が難しかった塗料の高機能化が期待できる(図参照)。両者は今後、本格的な共同開発により高機能塗料の実用化を進めていく予定。
(Future 2019年6月24日号)
日本紙パルプ商事/シンガポールの子会社を合併
日本紙パルプ商事(=JP)はいずれも連結子会社のJPP Far East (S) Pte Ltd(=JPP FE)とSpicers Paper (Singapore) Pte Ltd(=Spicers SG)を7月1日付で合併し、商号をOVOL Singapore Pte. Ltd.(=OVOL SG)とする。合併方式はSpicers SGを存続会社とする吸収合併で、合併にともないJPP FEは消滅する。また、この合併・商号変更に合わせ、マレーシアの連結子会社、Spicers Paper (Malaysia) Sdn Bhd (=Spicers ML)の商号も変更し、OVOL Malaysia Sdn. Bhd.(=OVOL ML)とする。
JPは2018年12月、東南アジアにおける営業基盤強化や取扱商品の拡充、顧客サービスの向上のため、シンガポールとマレーシアで紙卸売事業を展開するSpicers SGおよびSpicers MLを100%子会社化した。このうちSpicers SGを今回、JP100%子会社でシンガポールに本社を置く紙卸商JPP FEと統合するもの。印刷・情報用紙に強みをもつJPP FEと、パッケージやデジタル分野に強みをもつSpicers SGの特性を生かしながら融合することで、シナジー効果の極大化を図る考え。また、合併後はJPグループのブランドである「OVOL」を冠した商号で事業展開していく。
両社および合併後の会社概要は次の通り(5月31日現在)。
〔Spicers SG〕
設 立:1984年
資 本 金:1,479万シンガポールドル(11億7,200万円)
事業内容:紙・包装資材の卸売
〔JPP FE〕
設 立:1969年
資 本 金:104.8万シンガポールドル(8,300万円)
事業内容:紙・包装資材の卸売
〔OVOL SG〕(予定)
所 在 地:シンガポール
代 表 者:加島博取締役会長、Genevieve Chua Kwee Huay取締役社長
事業内容:紙・板紙・包装資材の卸売
資 本 金:1,479万シンガポールドル(11億7,200万円)
株 主:JP100%
(Future 2019年7月8日号)
日本製紙/紙製ストローが飲食業界で初採用
日本製紙が4月に販売を開始した紙製ストローが、葛西臨海公園内のレストランなどで採用されることが決まった。飲食業界で同社の紙製ストローが採用されるのは初めて。
採用が決まったのは、㈱ゼットンが葛西臨海公園(東京)で運営する「PARKLIFE CAFE&RESTAURANT」のほか、「ガーデンレストラン 徳川園」など複数の店舗。ゼットンは、人気のハワイアンカフェ&ダイニング「アロハテーブル」など、さまざまな業態の外食チェーンを展開しており、中期事業計画では使い捨てプラスチックの廃止を定めるなど環境対応に注力している。こうしたことから今回、生分解性に優れ、かつ機能性・安全性を追求した国産品である、日本製紙の紙製ストローの採用を決めたもの。
なお、日本製紙とゼットンは採用店舗を紙製ストローの実証店と位置付け、使用感に関するアンケートを実施する。利用者に評価してもらい全店導入の可能性を追求するとともに、紙製ストローの認知向上を図る。
(Future 2019年7月8日号)
大王製紙/プラスチック代替素材『エリプラペーパー』を発売
大王製紙はこのほど、紙製のナイフやマドラー向けの原紙として、プラスチック代替素材となる高密度厚紙『エリプラペーパー』の販売を開始した。製品名の“エリプラ”は、「Eliminate Plastic(脱プラスチック)」から名付けた。写真は『エリプラペーパー』の加工例。
大量のプラスチックごみによる海洋汚染が世界的な問題となる中、プラごみの海洋流出削減の動きが各国で本格化しつつある。大王製紙では、以前から紙製マドラー用途の原紙を生産・販売していたが、今回、紙加工メーカーでの検証を経て、プラスチック代替素材としてより幅広い用途に使用可能な高密度厚紙の品質を確立した。
(Future 2019年6月24日号)
三菱製紙/食品包装用コート紙『バリコート』の販売を開始
三菱製紙は、欧州のグループ会社である三菱ハイテクペーパーヨーロッパGmbH(本社:ドイツ)が生産している食品包装用コート紙『barricote(バリコート)』を、9月から日本を含むアジア地域でも販売開始する。
三菱製紙グループでは、環境意識や脱プラスチックへの関心が高い欧州でいち早く三菱ハイテクペーパーヨーロッパがリサイクル可能な紙ベースの包装材料として『barricote(バリコート)』を販売している。すでに欧州大手食品メーカーに採用されたほか、複数のグローバル企業との間で導入に向けた開発プロジェクトが進行している。この『バリコート』の供給体制を全世界で構築すべく、日本を含むアジア地区でも販売を開始するもの。
『barricote』は、食品包装に求められる高度なバリア性を有しつつ、紙素材本来の優れた生分解性とリサイクル性能などを持つ(FSC森林認証紙)。また、ヒートシール適性を備えたグレードでは、プラスチックフィルム貼合わせなどによるシーラント適性付与が不要という特長もある。
欧州では機能性の異なる製品を『barricote』シリーズとして品揃えしているが、日本を含むアジア地域では、水蒸気バリア性、酸素バリア性、食品油分や鉱物油のバリア性、ヒートシール適性、古紙リサイクル適性を有し幅広い用途に対応できる『Bag WGOM』を販売する。
三菱製紙では、「日本国内を含めアジア市場で幅広い顧客の獲得を目指して営業するとともに、国内工場でもアジア向け『barricote』の生産体制確立を早期に進めていく」としている。
(Future 2019年6月24日号)
リンテック/新ブランド『Livasta』でラベル素材の海外展開強化
リンテックはこのほど、主力製品であるラベル素材の海外展開強化を見据え、世界共通ブランドとして新たな冠ブランド『Livasta』(リバスタ)を発表した。ラベル素材の豊富な製品ラインアップと提案力をベースに、国内外市場でブランド価値向上と拡販強化を図る。“Livasta”とは、社名のLINTECに、Value(価値)、Stick(粘着素材)、Advance(進化)を組み合わせて名付けた。
先頃開催されたラベル専門展示会「ラベルフォーラムジャパン」にもスポンサー企業として参加、“環境と安心・安全”をテーマに多数の製品群を出展した。日本有機資源協会が運営するバイオマスマークの認定を取得した「バイオマス粘着剤使用ラベル素材」のほか、「森林認証紙使用ラベル素材」「改ざん防止用ラベル素材(非転着タイプ)」「超強粘着ラベル素材」を紹介した。
このうち、バイオマス粘着剤使用ラベル素材については、バイオマス度10%の溶剤タイプ、エマルジョンタイプに加え、バイオマス度20%を実現した強粘着タイプの新製品(7月1日発売)も紹介。新製品は、一般的なラベル素材では貼付しにくい低温環境や凹凸面への貼付に適し、冷凍・冷蔵食品や冷酒、ワイン、飲料缶の表示ラベルなどにも使用できる。
(Future 2019年7月22日号)
藤原科学財団/第60回「藤原賞」は慶大・大西、理研・西田両博士に
藤原科学財団による第60回「藤原賞」受賞者に慶応義塾大学グローバルリサーチインスティテュート・特任教授の大西公平氏(リアルハプティクスの創出とその応用),理化学研究所生命機能科学研究センター・センター長の西田栄介氏(MAPキナーゼならびに関連シグナル伝達経路の分子機構と生理機能)が決定し、6月17日東京・神田錦町の学士会館において贈呈式が挙行された。
大西氏は、電話等の聴覚伝送やテレビなどを通じた視覚伝送に次ぐ第3の感覚通信を創造する「ハプティクス」により、通信ネットワークを介して触覚を伝送、遠隔で感じることができるシステムを確立し、世界初となる鮮明な力触覚通信を達成した。また、同技術を安全に産業・社会に普及させるための研究開発に取り組み、すでに一部は実装を果たしているほか、人間と機械の調和に向けた革新的なイノベーションを生み出すものとして期待される。
一方の西田氏は、外因性の多様な因子によって細胞の増殖や分化が決定づけられる仕組みを解明。鍵となるのはタンパク質リン酸化酵素「MAPキナーゼ」で、この分子機構の解析からタンパク質キナーゼの連鎖反応(カスケード)を明らかにし、さらにこのカスケードが細胞の発生や老化、寿命まで広範な生命現象に関わっていることも突き止めるなど、細胞の情報伝達に関する研究領域で世界をリード、医学の発展にも寄与している。
冒頭、挨拶に立った矢嶋進・同財団理事長(贈呈式に先立ち開催された理事会で選任。上写真)は両受賞者を祝福するとともに、研究を陰から支えてきた家族への敬意を表し、大要次のように述べた。
「昨年は近年にない多数の応募があったが、今回はそれをさらに上回る50件のなかから受賞者が決定された。受賞した両氏は国内のみならず海外でも高い評価を受けていると聞いており、たいへんすばらしい方に贈呈できることを財団としても誇りに思う。
藤原賞は、国土が狭く資源の乏しいわが国をトップクラスの科学技術国とすることを目的に藤原銀次郎翁によって設立された藤原科学財団が翁の遺志を実現するため行っている公益事業である。財団設立以来60年の長きにわたって毎年顕彰を行い、受賞者数は100名を超える。今なお藤原賞はわが国においてもっとも権威ある科学技術賞として評価されているが、これもひとえに先人の尽力、ご列席の皆様のご理解ご支援の賜である。
量子コンピュータやAIなど科学技術の進歩は世界を大きく変化させる可能性を秘め、一方で地球温暖化など環境問題が深刻さを増している。こうしたなか、人類の幸福に寄与する科学の発展に向け、藤原賞の役割はますます重要になることを確信している。
また当財団にはもう1つの公益事業として、わが国の研究者が主催する国際セミナーを資金的に援助する「藤原セミナー」があり、年2件を支援している。今後とも2つの事業を通じ日本の科学技術の発展に貢献していく所存である」
続いて選考委員長・廣川信隆氏が選考経過を報告、矢嶋理事長から受賞者に賞状および副賞(各1,000万円)の目録が手渡された。さらに磯谷桂介・文部科学省研究振興局長による祝辞の後、受賞した両氏が受賞の喜び、財団をはじめ家族や恩師、同僚や学生への感謝を述べ、「機械が人間に親和的になることで産業や家庭へロボットが入っていく可能性が広がる。例えば、少子高齢化の進行により更なる不足が懸念される労働力についても、われわれの文化のなかでいかにつくり出すか。本技術がそれら解決の第一歩となり世の中に幸福をもたらすことを願っている」(大西氏)、「遺伝子は生物が積極的に老化するプログラムをもっており、それに異常を引き起こす作用を与えれば寿命を伸ばすことができると考えている。また後天的な獲得形質の遺伝は否定されてきたが、最近は一部の獲得形質は遺伝することがわかってきている。すなわち親の寿命が延びると、遺伝子が変化していないのに 子や孫の寿命も延びるといった現象が線虫を用いた実験から見出されており、最終的には人の健康寿命延伸につなげたい」(西田氏)と挨拶し、受賞を励みに更なる研究に邁進することを誓った。
(紙パルプ技術タイムス2019年8月号)
2019年 <8月号> 特別企画/紙・不織布・フィルム 加工ガイド2020─市場と技術
〈紙・不織布・フィルム 加工ガイド2020〉
─市場と技術─
●市場・技術動向
「令和」という不確実性の時代に製紙産業のメガトレンドを探る
東京大学名誉教授 尾鍋史彦
プラスチック包材から紙の包材へ ─ 内外で活発化する代替素材の製品開発
岩崎誠
国際不織布産業総合展示会「IDEA2019」に見る製品開発トピックス
技術ジャーナリスト 塩谷隆
報道発表などに見る最近の製品開発(2018年7月〜19年6月)
加工関連データ/紙・板紙 印刷,段ボール 包装資材・容器,段ボール 粘着テープ,壁紙 衛材・コスメ製品 不織布 紙おむつ・マスク
加工製品資材 品種・銘柄データ/印刷・情報 印刷・その他 包装・パッケージ 粘着・剝離 産業・工業用資材 土木・建築 家庭・衛生 その他
●開発事例
日本製紙/詰め替えにかわる新発想の紙容器“SPOPS(スポップス)Ⓡ”の開発
三菱製紙/バリア性・ヒートシール適性などを備えた食品包装用コート紙“barricote(バリコート)”
大日本印刷/アルコール等の香気・風味を維持する“DNP低吸着包材(液体紙容器)”
平和メディク/国産初となる紙ストローの量産へ ─ 食品・医療分野で培ったノウハウを活用
ユニチカ/ストロー向け生分解性樹脂「TP─5040」
環境経営総合研究所/微細な紙パウダーを重量比51%以上含有させた成形材料“MAPKA”
GSアライアンス/次世代型高機能最先端素材“Nano Sakura” ─ 各種樹脂+CNF複合材料,でんぷん・紙・木がベースの生分解性プラ
産業技術総合研究所/植物・鉱物由来成分から成る複合膜 ─ 透湿性に優れた紫外線カットフィルムとして期待
竹尾/紙に電気が通る! ─ PAPER TORCHが示すファインペーパーと導電性インクの可能性
大興製紙/CNF入りタオルペーパーの開発 ─ 薬品添加なしで使用に耐える品質を達成
リンテック/残留物レスの非転着タイプ改ざん防止用ラベル素材 ─ 高級化粧品の外箱や免税袋などの開封防止対策に
ユポ・コーポレーション/圧電性ユポ(開発品)の開発と商品化事例 ─ エレ・アコギター用コンタクトセンサーに採用
●最新技術情報
小林製作所/テスト抄紙設備を充実 ─ 小型抄紙機:ちょい抄きくん,不織布用密閉式傾斜フォーマ:KKフォーマ
伸興/品質を改善する紙粉・繊維屑除去装置,静電気除去装置
金陽社/製紙カレンダー用樹脂ロール“ZE─Kシリーズ”
チノー/赤外線多成分計 IMシリーズ
東光計器/ポータブル水分計
東京計器/素材検査装置“M─CAP シリーズ”
春日電機/エレクトレット加工システム コロナプラズマ表面処理装置
生産現場での事故・トラブルを未然に防ぐ静電気除去装置
◇
●海外動向
活発な米国での段原紙・家庭紙の増強投資 ─ 新設・転抄工事の年産能力は2021年までに340万t
中国の2018年古紙輸入は前年比33.7%減 ─ 2019年認可枠は1,100万〜1,200万t程度へ縮小か
●業界動向
日本政府/G20で海洋プラごみ「2050年ゼロ」を合意 ─ 日本は「マリーン・イニシアティブ」立ち上げへ
紙パルプ技術協会/地球環境に貢献する産業としての技術発信を ─ 第72回定時総会で山崎理事長が再任
藤原科学財団/第60回「藤原賞」贈呈式を挙行 ─ 慶大・大西,理研・西田両博士が受賞
紙のエレクトロニクス応用研究会/「紙の価値再考」を促す話題を提供 ─ 第19回技術研究発表会
SGEC/PEFCジャパン/PEFC設立20周年を記念したフォーラムを開催
●連載
老舗を再生させた三代目が,どうしても伝えたい「経営革新」講義(80)紙・板紙製アップサイクル商品@日本
中山裕一朗
●ニュース・統計
機械・資材業界短信
月間ニュース
海外情報
アジア通信
イベントカレンダー
紙パルプ製品・原材料等月別需給統計〈令和元年5月度〉
<8月1号>
●座談会
緊急記者匿名座談会〜第二弾〜歴史的“紙の逼迫”から3ヵ月——新たな危機!?「今度価格が落ちれば我われ卸商は息の根が止まる」
●Report
製紙関連企業の2018年度業績/価格修正効果で営業利益率平均が4%台に回復も燃料高騰や生産体制再編で“利益圧縮”が顕著
●Topics
日本製紙連合会/2030年度のCO2排出削減量従来の目標値を引き上げ
国際森林製紙団体協議会/CEO円卓会議で《リーダーシップ声明2.0》を採択
エム・ピー・エム・王子ホームプロダクツ/家庭紙製造設備の竣工式に125名が出席
日本政府 G20大阪サミット/海洋プラごみ「2050年ゼロ」を合意 日本は「マリーン・イニシアティブ」立ち上げへ
●催事
竹尾/第65回ニューヨークタイプディレクターズクラブ展 世界各国のタイポグラフィ作品を一挙公開
大阪府紙商組合 午さん会/万博・IR共通のキーワードは『地球環境』、紙の時代が到来
日本封筒協会 全国封筒年次大会/ネット通販とのコラボで効果発揮 再評価されるDMの価値
FOOMA JAPAN 2019/「食の技術のニッポン力。」をテーマに4日間で10万人余が来場
インターフェックスジャパン/紙パ企業も自社製品をアピール
名古屋洋紙同業会研修会/効率よく営業を行うためのタイム&プロセスマネジメントのコツ
●総会から
紙パルプ技術協会 第72回定時総会/地球環境貢献の産業として技術発信を 日本製紙・山崎副社長が理事長再任
愛媛県紙パルプ工業会第43回通常総会・懇親会・講演会/『愛媛のCNF関連産業に係る取組みについて』を開催
日衛連第80回通常総会/高原会長が再任 国際標準化への取組みをさらに推進
●Interview
見山製紙工業/ハブ機能を持った関西の拠点として当社を使ってもらいたい
●統計
段ボール/段ボール生産量実績 4月度は前年比105.8%
パルプ・パルプ材/UKP販売 13ヵ月ぶり増加
出版/取次大手2社 減収減益に
●インフォメーション
〈8月5日号〉
●R&D情報
“脱プラ”もモチベーションの一つに/ソリューションビジネスを志向する紙パ企業の研究開発活動〈1〉
●ワールドレビュー
住民参加と教育、新たな投資が鍵を握る米国古紙の品質向上
●話題を追って
ラベルフォーラムジャパン2019開催/目についた環境配慮型製品の展示
●注目企業
エム・ピー・エム・王子ホームプロダクツ/125名が臨席し家庭紙製造設備の竣工式を挙行
●Future’s EYE
国際リサイクルシステムの変化と各国の反応/再生資源の品質向上に向けた投資と分業は進むのか
●REPORT
消費税率引き上げに対する企業の意識調査/「予定どおり実施すべき」が4割超に
●統計と市況
板紙
●ドイツ市況
紙・板紙、古紙
●ニュースファイル
企業の動き・団体の動き・トピックス・催事・新製品・人事異動
<7月2号>特集■くらしと紙〈夏〉
特集 ■ くらしと紙〈夏〉
●催事
日本家庭紙工業会/プレス懇談会“赤字のキャッチボール”解消に向け製品価格の値上げに注力
●Review
静岡・愛媛ほかの《ヒット・ロングセラー》製品
【静岡県】イデシギョー、春日製紙工業、コアレックス信栄、紺屋製紙、シーズイシハラ、新橋製紙、杉山・東京クイン、大一紙工、大興製紙、特種東海エコロジー、林製紙、藤枝製紙、富士里和製紙、マスコー製紙、丸井製紙、丸富製紙【愛媛県ほか】泉製紙、イトマン、大髙製紙、カミ商事、金柳製紙、ゴークラ、大富士製紙、トーヨ、西日本衛材、三木特種製紙
◇
●Topics
日本テトラパック/特別展示会《Inside Tetra Pak 》[製造の効率化][持続可能性][差別化]テーマに各種ソリューションで製造現場の課題解消へ
●催事
第11回販促・マーケティング総合展 夏/野崎紙商事、第一印刷所、大日三協が出展「脱プラ」「ラグビーW杯」など紙製販促物に追い風
京都府紙商組合 第39回ボウリング大会/団体戦は京都紙商事、個人戦は古澤信弥さん・大野友梨さんが優勝
●総会から
日本洋紙板紙卸商業組合《第34回名古屋大会》/物流問題への解決に向け加速 紙の魅力を伝え続け、新たな需要を創造
京都府紙商組合/組合員共通の課題として物流問題と働き方改革に取り組む
●統計
東京市況/印刷用紙A再生紙巻取は一部バージン品に変更
家庭紙/ティシュペーパー品薄傾向続く
古紙/4月度の回収率3ヵ月ぶりの80%台
●インフォメーション
〈7月22日号〉
●R&D情報
5%の大台を割り込んだ対売上高比率/原材料費続騰の懸念から減少に転じた紙加工業界の設備投資
●ワールドレビュー
UKPに品種転換し生産を再開するNDペーパーのオールドタウン工場
●話題を追って
課徴金制度を見直した改正独禁法が成立/協力度合いに応じて減免率を上乗せ
●総会から
日本RPF工業会 定時社員総会・懇親会/「ペップトーク」に関する講演を傾聴
●Future’s EYE
中国の廃棄物原料輸入規制/動機が「環境保護」である以上規制緩和は望めない
●統計と市況
原材料
●中国市況
古紙・パルプ
●米国市況
新聞・出版・印刷・情報用紙
●ニュースファイル
企業の動き・決算・新製品・人事異動
〈7月15日号〉
●R&D情報
減額も対売上高比率は5%台をキープ/転抄や維持更新が主体となる製紙関連企業の設備投資動向
●ワールドレビュー
ストローやカップ、袋類を手始めにプラ規制が加速する中南米市場
●Future’s EYE
SGEC/PEFC国際森林認証フォーラム/アジアでのプレゼンスが拡大、重要さ増すブランド企業の取組み
●話題を追って
ICFPA年次総会とFAO諮問委会合/プラ規制をめぐる議論には注意も必要
●マーケット
韓国 4〜6月期 紙・板紙、原材料市況/輸出不振と米中摩擦で全品種が下落
●総会から
日本紙類輸出組合・日本紙類輸入組合/海外事業所数は10年間で4倍超に
●統計と市況
関連指標
●ニュースファイル
企業の動き・決算・トピックス・催事・移転・変更・人事異動
<7月1号>特集■情報用紙
特集 ■ 情報用紙
●Interview
櫻井醜(日本フォーム印刷工業連合会会長)/“令和維新”デジタル激動時代を生き抜く《寺子屋教育》で、グローバルに活躍する人材を育成へ
●催事
柴田博仁(富士ゼロックス㈱研究技術開発本部)/東洋同基調講演『ペーパレス時代の紙の価値を知る』「読み書き教育の失敗は国家の存亡に関わる」
●Report
2018年デジタル印刷市場/「極小ロット対応」「短納期」「オペレータの確保」が突出
◇
●Topics
王子HD、日本製紙/原田環境大臣に“脱プラ”“紙化”への取り組みを報告
●Report
日系企業の海外事業展開/生産・販売の両面で中国重視変わらず FTA活用での海外販拡先はASEANが中心
●催事
日本紙加工産業労働組合協議会・公益財団法人日本生産性本部/《第9回板紙・段ボール産業労使幹部セミナー》強固な労使協調のもとで板紙・段ボール産業の諸課題解決を目指す
ノードソン/“ともに未来へ,ともに革新を”「50周年記念式典」をパレスホテル東京で開催
●総会から
全国製紙原料商工組合連合会 第42回通常総会/段古紙の問屋在庫が限界。関係行政機関に相談し、会員、製紙連、古紙センターの協力で、この難局を切り拓きたい
東京都製紙原料協同組合 通常総会・永年勤続従業員表彰式・祝賀会/組合員1人ひとりの力で回収システムを守り、美しい日本を支える
近畿製紙原料直納商工組合 第53回通常総会/労務対策、適切なマージン確保が課題
東京都リサイクル事業協会 定時総会・懇親会/栗原正雄理事長が続投、リサイクル議連の活動に期待
友和会 定時総会/100周年に向け親睦を深め交流を
日本印刷産業連合会 定時総会・懇親会/「社会から求められ続ける存在になろう」
印刷産業青年連絡協議会(印青連)第19期定期総会/新会長に田中淳氏(東京プロセス工業協同組合)東京都製紙原料協同組合・青年部が脱退
●統計
板紙/19年4月度生産実績 前年比101.0%
段ボール/段ボール生産量実績 3月度は前年比96.3%
パルプ・ パルプ材/生産・ 消費とも再びマイナスに
出版/10連休効果 書籍・ 雑誌とも大幅増
●インフォメーション
2019年 <Vol.30 No.1>特集1 創刊30周年特別企画 特集2 変革期の自動車産業と不織布の製品展開
特集1 創刊30周年特別企画
●「不織布産業・平成から令和へ」アンケート
国際的影響要因で激変した事業環境と今後 ─ 有力企業に聞く不織布業界の課題と展望
●アンケート回答企業の基礎データ
●日本不織布協会創立20周年と業界の歩み
「失われた20年」の下での成長に大きな役割を果たす
●創刊30周年特別企画号に寄せて
不織布研究会とともに歩んで30年
日本不織布協会顧問,技術委員長,日本繊維機械学会不織布研究会委員長 矢井田修氏
●データで見る平成30年間の軌跡と変遷
世界の不織布原反売上上位企業/わが国の不織布生産動向
特集2 変革期の自動車産業と不織布の製品展開
国内外とも堅調持続する自動車産業 ─ 中国「NEV規制」をはじめASEANでも進むエコカー推進
●特集(企業展開)
“V─Lap® ”の特長を生かし吸音材として提案
帝人フロンティア㈱ 宮堂倉一氏
世界5極体制の連携力でグローバル需要をキャッチ
日本バイリーン㈱ 田中誠氏
高耐熱セパレータでEV需要を開拓,キャビンフィルターは多機能化で市場深耕
三菱製紙㈱ 竹内常括氏,大上勝志氏,高濱信子氏
グラスファイバー同等の強度をもち軽量化と環境性を実現する“ヘンプ不織布”
堀正工業㈱ 堀田三洋氏
日系不織布企業の海外進出動向
◇
●寄稿
国際不織布産業総合展示会「IDEA2019」のトピックス
技術ジャーナリスト 塩谷隆
リン酸エステル化法によるCNFと製品開発について
王子ホールディングス㈱ 野口裕一
製品開発最前線/アレル物質低減加工不織布“ユニダイヤ”
ユニチカ㈱ 千塚健史
●サプライヤーに聞く
プロパーからの社長として自己成長の場を提供したい
日本ノズル㈱ 藤原邦裕氏
●連載
マーケット探訪
バグフィルター/有害物質の拡散防止と労働環境改善を実現
Pickup“研磨パッド”/シリコンウエハー製造の品質安定とコスト削減を両立
●業界動向
ノードソン/“ともに未来へ,ともに革新を” ─ 「50周年記念式典」をパレスホテル東京で開催
日本衛生材料工業連合会/高原会長再任,新執行体制で新たなスタート ─ 第80回通常総会を東京・経団連会館で開催
日本繊維機械学会/ナノファイバー関連の3題を聴講 ─ 不織布研究会が「第73回研究例会」を開催
Medtec Japan 2019/医療機器の製造・設計に関する技術が集結 ─ 国内外523社・団体が出展,2万5,407名が来場
インターペット/人とペットの快適環境を提案 ─ ペットの健康や長寿を支援する総合展示会を開催
●ニュース
国内ニュース
海外情報
製品開発ニュース
〈7月8日号〉
●R&D情報
やはり大きい原材料価格上昇の影響/微増収も営業減益を強いられた印刷産業の2018年度業績
●ワールドレビュー
異物混入率0.5%の上限を撤回したインドネシアの古紙輸入規制
●総会から
日紙商 定時総会・懇親会/「変革を遂行」し「新たな需要創造」へ
●今週の焦点
2030年度のCO2排出削減量/製紙連が従来の目標値を引き上げ
●話題を追って
国際森林製紙団体協議会CEO円卓会議/「リーダーシップ声明2.0」を採択
●マーケット
世界の広告費成長率予測/デジタル広告が引き続き市場を牽引
●今週の数字
日本パレット協会 2018年度の統計調査を公表/数量減も単価上昇で出荷額は微増
●REPORT
古紙センター 海外調査報告書〈3〉/着実に目標値を捉える先進国ドイツ
●統計と市況
紙
●中国市況
古紙・パルプ
●米国市況
板紙・包装用紙
●ニュースファイル
企業の動き・トピックス・団体の動き・新製品・人事異動
2019年 <7月号> 特集/製紙用薬品の最新動向と高効率利用
特集/製紙用薬品の最新動向と高効率利用
●特集寄稿
板紙用高浸透性表面紙力増強剤の開発
荒川化学工業㈱研究開発本部製紙薬品事業 相野谷卓
PAM系乾燥紙力剤の技術動向について
星光PMC㈱製紙用薬品事業部 茨木英夫
製紙用炭酸カルシウムの変遷と今後の展開
㈱白石中央研究所 研究開発グループ主幹研究員 松原桂
マシン汚れモニタリングによる操業条件の最適化に向けて ─ SmartDepo.TM 導入効果について
㈱メンテック 富士事業所 技術開発課グループ主任 坂田人丸
◇
●海外動向
『中国造紙工業2018年度報告』に見る現状と今後/安定成長下に古紙輸入規制と“貿易戦争”が直撃か ─ 2018年は生産量1億435万t・消費量1億439万tでマイナス成長
●業界動向
バルメット/次世代蒸解システムなど最新のパルプ設備を提案 ─ バルメットカスタマーセミナー2019
紙パルプ技術協会/原料事情や原質工程改善技術を解説 ─ 第25回パルプ技術セミナー
プラスチック資源循環戦略/基本原則「3R+Renewable」のもとマイルストーンを設定
減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク/海洋プラ問題への実効ある政策を求める緊急会合を実施
非木材グリーン協会/「廃プラ」問題に焦点を当て第31回セミナーを開催
日本包装技術協会/第43回「木下賞」受賞者を決定
ナノセルロース展 in TAPPI Nano/ナノセルロース国際会議開催にあわせ内外39社が出展
古紙再生促進センター/金融・保険業における古紙回収促進に向け小冊子を作成
日本衛生材料工業連合会/高原会長再任,新執行体制で新たなスタート ─ 第80回通常総会を東京・経団連会館で開催
●連載
老舗を再生させた三代目が,どうしても伝えたい「経営革新」講義(79)紙製のアップサイクル商品はおもしろい!
中山裕一朗
●ニュース・統計
機械・資材業界短信
月間ニュース
海外情報
アジア通信
イベントカレンダー
紙パルプ製品・設備・原材料 月別需給統計〈平成31年4月度〉
単行本『知っておきたい紙パの実際2019』を刊行
紙業タイムス社は2019年5月31日に単行本『知っておきたい紙パの実際2019』を刊行した。
同書は入社3年未満程度の新入社員を対象にした業界知識強化のための教育用図書最新版。統計データや今日的課題は毎回更新しており、業界内の隠れたベストセラーになっている。今回はとくに「知っておきたい~時代変化のインパクト」の章で、限られた成長分野での競争激化の実情や、中国による古紙輸入規制に影響と今後の動向、さらには米中貿易戦争や各国の貿易措置を概説し、バーゼル条約改正で加速する脱プラの動きなども取り上げ、若い世代が読んでおきたい紙関連の書籍に仕上げている。
全体の内容概略は以下の通り。
① 知っておきたい〜紙パの歴史と現在
紙とは何か/紙の歴史 ─ 世界/紙の歴史 ─ 日本/世界の紙・板紙 ─ 生産と消費/世界の紙パルプ ─ 代表的な国と企業/日本の紙パルプ ─ 産業界での位置と役割
② 知っておきたい〜紙の作り方
工場の全体像/パルプ製造・古紙処理工程/抄紙・塗工工程/図解!「抄紙機」の基礎知識/仕上・加工工程/二次加工/紙・板紙の規格/紙・板紙の種類/不織布とは
③ 知っておきたい〜紙パの原燃料事情
原料事情 ─ 総論/木材チップ/違法伐採対策と森林認証/パルプ/古紙/製紙用薬品/エネルギー
④ 知っておきたい〜時代変化のインパクト
限られた成長分野で激化する競争/中国の古紙輸入規制/各国の貿易措置と米中貿易戦争/バーゼル条約改正で加速する脱プラ
⑤ 知っておきたい〜我が町の紙パ関連産業
北海道/東北/関東/甲信越・北陸/都道府県別にみたパルプ・紙・紙加工品製造業/東海/近畿/中国/四国/九州・沖縄/紙パルプ産業の総合需給図(2017年)
⑥ 知っておきたい〜業界構造とユーザー
製紙業界/紙流通業界/原料古紙業界/機械・資材・薬品業界/関係官庁、業界団体/紙の用途とユーザー業界 ─ 総論/新聞/出版/印刷/紙製品・衛生用紙/段ボール/製袋・紙器
⑦ 知っておきたい〜紙パの基礎用語
企業展開・経営戦略に関わる用語/紙の製造に関わる用語/紙加工に関わる用語/環境問題に関わる用語/製品・規格に関わる用語
⑧ 知っておきたい〜基礎データ
紙・板紙の品種分類/パルプの品種分類/古紙の統計分類と主要銘柄/紙・板紙内需の実績推移と見通し/紙類輸出入と貿易バランスの推移/紙・板紙平均単価の推移
紙パルプ技術協会/第62回年次大会を10月23~25日に仙台で開催
紙パルプ技術協会は10月23~25日に宮城県仙台で「次世代紙パルプ産業への挑戦-先端バイオマス技術で未来を拓く-」をテーマに、第62回2019年年次大会を開催する。
開催概要は以下の通り。
主 催:紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)
開催日時:2019年10月23日(水)~25日(金)
開催場所:仙台国際センター(〒980-0856 宮城県仙台市青葉区青葉山無番地)
内 容:表彰式、紙パルプ産業関連企業約60社の展示会、2件の特別講演、特別セッション(CNF、IoT、家庭紙など)を含む約70件の紙パルプ関連講演、アトラクション、懇親会
工場見学会:日本製紙・石巻工場
(詳細はホームページhttp://www.japantappi.org)
問合せ先:紙パルプ技術協会・年次大会事務局
〒104-8139 東京都中央区銀座3-9-11(紙パルプ会館11階)
TEL 03-3248-4841
FAX 03-3248-4843
日本不織布協会/「第10回 産官学連携の集い」7月12日に大阪で開催
日本不織布協会は産官学の連携を重点課題として取り組んでいるが、その一環として2019年度定期総会開催日に下記の要領で「講演会」と「ポスター展示」で構成する「第10回 産官学連携の集い」を開催する。開催概要は以下の通り。
日 時:2019年7月12日(金)
会 場:大阪・太閤園(〒534-0026 大阪市都島区綱島町9-10)
〔講演会〕14:15~16:30 2Fゴールデンホール
「がんをステージ1で発見できるマイクロRNA検出化学ICチップと高度
人材育成」元東京大学教授/生田幸二氏
「マイクロプラスチック問題に関して(仮題)」京都大学准教授/田中
周平氏
参加費:協会会員無料 、一般3,000円/人
〔ポスター展示〕13:00~19:00 ダイヤモンドホール内3Fロビー
公的機関の出展者:福井県工業技術センター、岐阜県産業技術総合センター、兵庫県立工業技術センター(地独)大阪産業技術研究所、(地独)京都市産業技術研究所、あいち産業科学技術総合センター、高知県立紙産業技術センター、愛媛県産業技術研究所 紙産業技術センター
会員出展者:ニッコーテクノ、イチカワ、ファイバーコーディネートサービス、KAZELFA、アサヒ繊維工業、金井重要工業、伊藤忠システック、日華化学、倉敷繊維加工、化繊ノズル製作所、ダイワボウレーヨン、新江州、メディア研究所、日本バイリーン、日本ノズル、帝人フロンティア
ポスター展示見学料:無料
問合せ先
日本不織布協会・事務局
〒541-0051 大阪市中央区備後町2-5-8
TEL 06-6233-0842 FAX 06-6233-0843
e-mail:info@anna.gr.jp
日本包装学会/第28回年次大会を7月11,12日に東大・弥生講堂で開催
日本包装学会は第28回年次大会を7月11、12の両日、東京大学の農学部キャンパス 弥生講堂一条ホール(東京都文京区)で開催する。
包装は食品や日用品、電気製品、医療医薬品などの様々な物品を、輸送・保管中のさまざまな劣化要因から守り、使用・消費者のもとへ最良の状態で届けるという必要不可欠な役割を担っている。この基本的な機能に加え、包装には販売促進機能・利便性向上などの様々な機能があるが、昨今の生活者の価値観やライフスタイルの変化にあわせて、包装の多様化・高機能化、そして合理化の要求が加速している。さらには地球温暖化に代表される環境問題への対応や、少子高齢化社会に適用したユニバーサルデザイン、グローバリゼーションの進行に対応した各国の規制やインバウンドへの対応など、包装が取り組むべき課題・関心は一段と高まっている。
このような包装に対するさまざな要求に対し、第28回年次大会では「包装材料」「輸送包装」「加工・装置」「環境・安全」「評価手法」などのセッションにおける口頭・ポスター発表および製品展示コーナーの設置に加え、同時開催の第13回国際包装セミナー(IPS’19)では、プラスティック等の包装材料に関する各国の法規制動向についてのセミナーを行う。 開催概要は以下の通り。
開 催 日:2019年7月11日(木)9:50~、12日(金)の2日間
会 場:東京大学農学部キャンパス・弥生講堂一条ホール
(〒113-8657 東京都文京区弥生1-1-1東京大学農学部内)
申し込み:http://www.spstj.jp/event/nenji/28/sanka.html
問合せ先:日本包装学会・事務局
(〒169-0073 東京都新宿区百人町1-20-3 バラードハイム703)
TEL 03-5337-8717
FAX 03-5337-8718
E-mail:office@spstj.jp
王子HD/生産体制再構築でグラフィック用紙を年産40万t削減
王子ホールディングスは5月22日、国内需要に見合った生産体制再構築の一環として、抄紙機4台の転抄・停機による能力削減を次記の通り決定した(以下、会社・工場名ごとに抄紙機No./主要生産品種/削減年産能力/再構築内容/実施予定時期の順で記載)。
〔王子製紙・苫小牧工場〕
N5号マシン/新聞用紙/20万t/段ボール原紙・クラフト紙製造設備に改造/2020年度上期に停止、改造後2021年度に稼働(年産30万t)
〔王子製紙・富岡工場〕
9号マシン/印刷・情報用紙/13万t/停止/2019年度末
〔王子エフテックス・江別工場〕
1号マシン/印刷・情報用紙、特殊紙/4万5,000t/停止/2020年度上期
4号マシン/特殊紙/1万5,000t/停止/2020年度上期
これらの停止・転抄にともなうグラフィック用紙(新聞用紙+印刷・情報用紙)の生産能力削減量は年産約40万t。王子HDグループのグラフィック用紙生産実績は2018年に約240万tだったので、この削減量は約17%に相当する。
また今回の措置で唯一の転抄マシンとなる苫小牧のN-5は、改造後の段原紙・クラフト紙年産能力が約30万t。米坪範囲は未定だが、厚物へのシフトなので、抄速の低下を勘案しても生産量としては1.5倍程度になる見込みだ。改造による設備投資額は概算150億円。
一方、この生産体制再構築によるコスト削減額は年間37億円を見込んでいる。停機にともなう余剰人員対策については、グルーブ全体での吸収を検討している。なお今回停止する設備は、すでに過年度において簿価を回収可能な価額まで切り下げているため、2019年度の連結業績に及ぼす影響はないとしている。
2016年以降に実施された、あるいは実施が決まっている各社の停止・転抄マシンは合計すると20台(塗工機を含む)となり、転抄前の削減量が約170万tに上る。このうちグラフィック用紙に限ると163万t、印刷・情報用紙に限ると117万tで、2018年の生産実績に対する割合はそれぞれ16%、15%という、かつてない規模となる〈併抄マシンは各品種を均等に生産したものとして計算〉。
(Future 2019年6月10日号)
北越コーポレーション/段原紙事業に参入
北越コーポレーションはこのほど段ボール原紙事業への参入を発表した。新潟工場で停機する6号抄紙機(写真)を改造し、段ボール原紙(中芯)の生産・販売を開始する。生産開始は2020年1月の予定で、生産能力は13万t/年。
同社グループは現在、5つのコア事業(洋紙、白板紙、特殊紙、紙加工、パルプ)を中心に事業展開している。この事業ポートフォリオを進化・拡大させるため、今後も需要拡大が見込まれる段原紙(中芯)事業を開始するもの。同社では、「長年培ってきた洋紙や板紙などの高品質・低コスト・高効率操業に関する知見と技術を活用するとともに、地元新潟からの要請に応えていく」と述べている。
(Future 2019年6月17日号)
三菱製紙、王子ネピア/家庭紙合弁事業の新設備が営業運転開始
三菱製紙と王子ネピアの合弁会社、エム・ピー・エム・王子ホームプロダクツはかねてより、三菱製紙の八戸工場構内に家庭紙設備の建設を進めてきたが、このほど計画通り営業運転を開始した。
新設した家庭紙設備では、八戸工場のパルプとインフラを活用しながら、ティシュ、トイレットペーパーを年間約1万8,000t生産、その製品は三菱製紙および王子ネピアが東北地区を中心に販売する。
〔エム・ピー・エム・王子ホームプロダクツ〕
代 表 者:佐藤啓一三菱製紙執行役員-八戸工場長
主な事業:家庭紙の製造販売
出資比率:三菱製紙70%、王子ネピア30%
(Future 2019年6月10日号)
日本製紙/勇払でバイオマス専焼発電を双日と共同事業へ
日本製紙は双日と共同で、発電事業会社「勇払エネルギーセンター合同会社」を2月14日付で設立、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を利用したバイオマス専焼発電事業を行う。
勇払エネルギーセンターは、日本製紙の北海道工場勇払事業所(写真)の敷地の一部を利用して発電設備を設置する計画で、2020年3月に着工し、23年1月の運転開始を予定している。燃料は、主に海外から調達する燃料用木質チップとPKS(Palm Kernel Shell、パームヤシ殻)のほか、国内の未利用材を使用する。発電設備の運転および保守は日本製紙が受託し、電力は北海道電力に販売する予定。
日本製紙は事業構造転換を進める中で、製紙工場で培った発電の技術・ノウハウを生かし、エネルギー事業に力を入れている。双日と共同で開始する勇払バイオマス専焼発電事業では、勇払事業所の土地と設備、さらには運転技術をもつ人材の活用により、長期安定的な収益の確保を見込んでいる。勇払エネルギーセンターの概要は次記の通り。
〔勇払エネルギーセンター〕
所 在 地:北海道苫小牧市字勇払(日本製紙北海道工場勇払事業所内)
事 業:バイオマス発電による電力供給事業
出資比率:日本製紙51%、双日49%
使用燃料:輸入木質チップ、パームヤシ殻、国内未利用材
発電出力:7万4,950kw(発電端)
(Future 2019年5月27日号)
日本製紙/マレーシアの軟包装加工会社を買収
日本製紙は3月25日、マレーシアで軟包装事業を展開するTS Plastics Sdn. Bhd.(TSP)の株式の70%を取得した。
事業構造転換に取り組む日本製紙は、成長分野の一つであるパッケージ事業のバリューチェーン拡大をグローバルに推進しており、3月にはフィンランド・エウ 生産検討を開始した。今回のTSP買収はそれに続くもの。
日本製紙は、TSPが20年以上にわたり培ってきた軟包装分野の技術ノウハウと顧客基盤をベースに、日本製紙の技術開発力とグループ販売網を活用し、アジア市場での事業拡大を図る考え。
リサイクル性や生分解性の観点から、パッケージ素材として紙が見直される中、日本製紙は「紙でできることは紙で。」を合言葉に「紙化ソリューション」を推進しており、今後はTSPをグループの「紙化」展開の拠点と位置付け、“シールドプラス”シリーズに続く新たな紙包材の開発にも取り組んでいく。
〔TSPの概要〕
設 立:1996年12月
資 本 金:203万6,831マレーシアリンギット(約5,500万円)
持株比率:日本製紙70%、TS Capital Resources Sdn. Bhd. 30%
事 業:軟包装(フィルムパッケージ)
売 上 高:約20億円
(Future 2019年5月13日号)
王子HD/木質由来新素材の実用化に向け開発の動きを加速
王子ホールディングス(以下、王子HD)は、木質由来新素材の実用化に向け、大学や異業種企業との共同開発など、用途開発の動きを加速させている。
(1) 北海道大学と共同でライフサイエンス分野の研究部門を開設、木質資源の医薬品への実用化目指す
北海道大学の産業創出部門制度を利用し、4月1日付で北海道大学産学・地域協働推進機構に「木質資源ライフサイエンス活用部門」を開設した。
産業創出部門制度は、「北大と民間など外部の機関が、共通の課題について一定期間継続的な“組織対組織型”共同研究を実施することにより、社会的に高い付加価値をもつ産業を創出し、社会イノベーションを推進すること」を目的としている。王子HDはこの制度を活用し、木質資源から抽出・精製した化合物、およびそれらを化学修飾して得られる半合成化合物の生理機能について解明し、動物薬をはじめとする医薬品などへの実用化を目指す。
〔産業創出部門の概要〕
設置部門名:木質資源ライフサイエンス活用部門
設置場所:北海道大学フード&メディカルイノベーション国際拠点
教 授:奥村正裕(北海道大学獣医学研究院臨床獣医科学分野獣医外科学教室)
設置期間:4月1日~2021年3月31日
(2) 浜理薬品工業と共同で医薬品原薬「PPS」の開発に着手
王子HDと浜理薬品工業は、共同でポリ硫酸ペントサンナトリウム(PPS)の医薬品用原薬(主原料)の実用化に向けて開発を進めることに合意した。
PPSは木質成分の一つであるヘミセルロースを原料とする医薬品の有効成分。人用医薬品としては、1949年に欧州で抗血栓症治療薬として開発され、96年には米国で間質性膀胱炎治療薬として、2017年には欧州で膀胱痛症候群の治療薬として承認・販売されている。さらに動物用医薬品としては、豪州で馬および犬の関節炎治療薬として、国内では犬の骨関節炎症状改善薬として販売されている。両社は今後、人用および動物用の医薬品用原薬の実用化に向けて、共同で開発を進めていく。
なお王子HDは、木材からヘミセルロースを高純度で抽出・精製する独自技術を保有している。
(3) 王子が開発した木質由来新素材がロート製薬の化粧品に採用
王子HDの広葉樹ヘミセルロース抽出物「加水分解キシラン」が、このほどロート製薬の化粧品に採用された。
王子HDが開発した加水分解キシランは、前出のヘミセルロースから作られるオリジナル素材で、同社が世界で初めて量産化に成功した。肌に保湿性を与え、バリア機能を守るなどの機能が評価され、今回の採用につながった。加水分解キシランが配合された保湿化粧品“リスタ”シリーズは、全国のウエルシア薬局で販売中。
(4) 化粧品原料向けCNF“アウロ・ヴィスコCS”を製品化
王子HDと日光ケミカルズはこのほど、化粧品原料向けセルロースナノファイバー(CNF)“アウロ・ヴィスコ CS”を製品化した。
両社は2015年8月から共同研究を進めており、昨年4月にオランダのアムステルダムで開催された世界最大級の化粧品原料展では、“アウロ・ヴィスコ CS”が「Innovation Zone Best Ingredient Awards」の「Functional Ingredients」部門でシルバー賞を受賞、「これまでにない機能をもつ増粘・分散剤」として高い評価を受けた。
“アウロ・ヴィスコ CS”は、同じ天然素材由来の増粘剤であるカルボキシメチルセルロースに比べて100倍以上の高粘度でありながら、大きなチキソ性(力を加えると粘度が下がり、静止すると粘度が上がる性質)を示し、べたつかず瑞々しい感触も合わせもつ。また、粒子分散安定性にも優れるなど、化粧品への幅広い応用が期待できる。
(Future 2019年5月6日号)
大王製紙/CNFを用いた塗料を愛媛県と共同開発へ
大王製紙はこのほど、愛媛県と共同で、セルロースナノファイバー(CNF)を用いた陶磁器などの高機能塗料の実用化に向けた研究開発に着手した。
愛媛県は2016~18年度の3年間、CNF利用の可能性を検討する「愛媛CNF関連産業振興事業」を実施、大王製紙はこの事業でアドバイザーを務めた。同事業では、産学官が連携してCNFを利用した試作品の開発に取り組んできたが、その研究成果の一つが、砥部焼に多層絵付けができる技術。愛媛県と大王製紙は、この技術を基盤にした陶磁器・ガラス用塗料の実用化に向け、共同研究契約を締結したもの。
大王製紙と愛媛県が取り組む研究開発では、陶磁器やガラスなどの塗料にCNFを配合することで、立体感のある重ね描きや曲面への塗布など、従来技術では実現が難しかった塗料の高機能化が期待できる。両者は今後、本格的な共同開発により高機能塗料の実用化を進めていく予定。
(Future 2019年6月24日号)
大王製紙/CNF成形体を使用した卓球ラケット用部材を開発
大王製紙はこのほど卓球用品メーカーの㈱タマス(東京)と共同で、高性能卓球ラケットの部材としてセルロースナノファイバー(CNF)の成形体である“ELLEX-M”を用いる技術を開発した。
“ELLEX-M”はCNFの強度や熱特性を活かせるシート状材料。CNF高配合の成形体で、大王製紙が独自に設計開発したCNFとパルプ繊維を複合化している。一方、タマスは、卓球の国内トップ選手を多数契約選手に抱える卓球用品メーカー。“バタフライ”の商標で数多くの卓球用品を製造販売し、選手用の高品質ラケットでは世界トップの実績を誇る。先頃開催された「世界卓球2019」でも、出場選手のうち56.6%が同社製ラケットを使用していた。
両社は2014年から“ELLEX-M”を卓球ラケット部材に活用する技術の開発に取り組んできた。その過程で、従来のラケット用部材では実現し得なかったCNF特有の性能を確認、そして今回、従来の高性能部材より打球の威力が高い部材の開発に成功したもの。現在タマス契約選手による試打評価を進めており、早期の製品化に向けて開発を加速させている。
なお、“ELLEX-M”の量産化に関してはヤマセイ㈱(愛媛県)が製造技術を開発中で、同社はえひめ産業振興財団からの支援・助成を受けて生産効率を改善しており、大王製紙はヤマセイで委託製造したものをサンプル供給している。
(Future 2019年7月1日号)
日本製紙/G20イノベーション展に“シールドプラス”を出展
日本製紙は長野県・軽井沢で開催されたG20関係閣僚会合「持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合」の併催イベント、「地球へ社会へ未来へ G20イノベーション展」(6/14~16)に、同社の紙製バリア素材“シールドプラス”を出展した。経済産業省と環境省が主催する同展では、水素エネルギー・海洋プラスチックごみ対策・イノベーションなどをテーマに、政府の取組みのほか、最先端のエネルギー・環境関連技術が公開された。
日本製紙が出展した“シールドプラス”シリーズは、バリアフィルムと同等の酸素バリア性をもつスタンダードタイプと、高い水蒸気バリア性を発揮する新製品“シールドプラスプレミア”(4月発売)がある。生分解性とバリア性を併せもつパッケージ素材として、とくに軟包装分野での利用が期待されている。
(Future 2019年7月1日号)
大王製紙/プラスチック代替素材“エリプラペーパー”を発売
大王製紙はこのほど、紙製のナイフやマドラー向けの原紙として、プラスチック代替素材となる高密度厚紙“エリプラペーパー”の販売を開始した。製品名の“検証を経て、プラスチック代替素材としてより幅広い用途に使用可能な高密度厚紙の品質を確立した。
エリプラ”は、「Eliminate Plastic(脱プラスチック)」から名付けた。写真は“エリプラペーパー”の加工例。
大量のプラスチックごみによる海洋汚染が世界的な問題となる中、プラごみの海洋流出削減の動きが各国で本格化しつつある。大王製紙では、以前から紙製マドラー用途の原紙を生産・販売していたが、今回、紙加工メーカーでの検証を経て、プラスチック代替素材としてより幅広い用途に使用可能な高密度厚紙の品質を確立した。
(Future 2019年6月24日号)
三菱製紙/食品包装用コート紙“バリコート”の販売を開始
三菱製紙は、欧州のグループ会社である三菱ハイテクペーパーヨーロッパGmbH(本社:ドイツ)が生産している食品包装用コート紙“barricote(バリコート)”を、9月から日本を含むアジア地域でも販売開始する。
三菱製紙グループでは、環境意識や脱プラスチックへの関心が高い欧州で、いち早く三菱ハイテクペーパーヨーロッパがリサイクル可能な紙ベースの包装材料として“barricote(バリコート)”を販売している。すでに欧州大手食品メーカーに採用されたほか、複数のグローバル企業との間で導入に向けた開発プロジェクトが進行している。この“バリコート”の供給体制を全世界で構築すべく、日本を含むアジア地区でも販売を開始するもの。
“barricote”は、食品包装に求められる高度なバリア性を有しつつ、紙素材本来の優れた生分解性とリサイクル性能などをもつ(FSC森林認証紙)。また、ヒートシール適性を備えたグレードでは、プラスチックフィルム貼合わせなどによるシーラント適性付与が不要という特長もある。
欧州では機能性の異なる製品を“barricote”シリーズとして品揃えしているが、日本を含むアジア地域では、水蒸気バリア性、酸素バリア性、食品油分や鉱物油のバリア性、ヒートシール適性、古紙リサイクル適性を有し幅広い用途に対応できる“Bag WGOM”を販売する。
三菱製紙では、「日本国内を含めアジア市場で幅広い顧客の獲得を目指して営業するとともに、国内工場でもアジア向け“barricote”の生産体制確立を早期に進めていく」としている。
(Future 2019年6月24日号)
王子HD、ウシオ電機/CNF透明シート上への微細パターニングに成功
王子ホールディングスとウシオ電機はこのほど、共同でセルロースナノファイバー(CNF)透明シート“アウロ・ヴェール”上への微細パターニングに成功した。
両社は、平滑性の高いCNF透明シートとウシオ電機製のプリンタブルパターニング用光源ユニット“VUVアライナー”(製品情報:https://www.ushio.co.jp/jp/products/1005.html)の組合わせで、通常のパターン幅である50~100μmよりも高解像度な10μmのパターニングを実現。 サスティナブル素材であるCNF透明シート上への微細パターニングにより、ディスポーザブルで小型、低消費電力、高機能な電子回路が期待される。王子HDは今後、ヘルスケア目的のウェアラブルセンサーやIoT社会に貢献する電子タグなど、幅広い製品への採用を目指す考え。
CNF透明シート“アウロ・ヴェール”は、ガラス並みの高い透明度をもちながらフレキシブル性を有し、プラスチックフィルムより高強度で高温下でも優れた低熱膨張性(高寸法安定性)を示す。また、親水性の高さも特長の一つで、同光源ユニットで採用されている親水化パターニング方式との親和性が高いため、今回の成果となった。
(Future 2019年6月17日号)
日本製紙/新代取社長に現取締役の野沢徹氏
日本製紙は4月15日、現取締役の野沢徹氏(写真)が代表取締役社長に昇格する人事を内定した。現代取社長の馬城文雄氏は代表権をもたない取締役会長に就任、また現代取会長の芳賀義雄氏は退任し、特別顧問に就任する。いずれも6月27日に開催予定の、定時株主総会と総会終了後の取締役会で正式に決定する(次号詳報)。
〔役員人事6月27日〕
取締役会長・馬城文雄(代取社長兼社長執行役員)▽代取社長兼社長執行役員・野沢徹(取締役兼常務執行役員-企画本部長兼管理本部長、関連企業担当)
〔退任役員6月27日〕
特別顧問・芳賀義雄(代取会長)
<野沢徹(のざわ・とおる)氏の略歴>
1959年3月10日生まれ(60歳、O型)、神奈川県出身。1981年慶應義塾大学法学部卒、同年4月十條製紙入社。2005年6月日本製紙管理本部財務部長、08年2月管理本部経理部長、09年6月兼管理本部長代理、13年4月執行役員、14年6月取締役執行役員-企画本部長、関連企業担当、17年6月取締役常務執行役員、18年6月兼兼管理本部長、現在に至る。日本製紙株式の所有数:9,509株(19年3月31日現在)
(Future 2019年5月6日号)